いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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岸田首相の大転換。 big conversion of premier kishida

2022-12-17 20:25:01 | 日記
 (1)岸田政権が反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有、防衛費GDP2%達成など安保3文書改定を閣議決定したことを受けて、米国は「日米同盟を強化し、近代化する」と歓迎を表明した。岸田首相は就任1年目を過ぎてこれといった実績がなく、そのころからそれまでの検討姿勢から一転攻勢を強めて安倍元首相国葬を独断で決め、旧統一教会への質問権行使を唐突に臨時国会直前に表明、防衛費増額の財源を増税でまかなう方針を決めるなど独断専行が続いて、際立つ政治姿勢をみせている。

 (2)実績づくりをあせっているようにもみえて、しかし時間をかけずに防衛費増額、GDP2%を決めたところをみると来年5月開催のG7広島サミット開催国を意識した強行突破にみえる。反撃能力、防衛費増額は米国の歓迎を受け、防衛費GDP2%はNATOの水準によるもので、G7メンバー国に顔向けするための決断のようにみえる。

 (3)しかし、岸田首相が来年G7開催国として広島開催を決めたのは、岸田首相の地元以上に「核のない世界」、軍縮への発信、テーマとする意向、意欲を示していたためなのだから、日本の反撃能力、防衛費GDP2%、増額のG7顔向け強硬姿勢は方向性反比例となる今回の安保3文書改定の決定だ。

 (4)実績づくりのない岸田首相が「大転換」と胸をはれるのは持論の成長と分配の好循環の実現であり、こちらの方はすっかり存在感がなくなり、安倍元首相の成長戦略の踏襲になり「(安保3文書改定は)戦後の安全保障政策を大きく転換するものだ」(岸田発言)と胸を張ったかどうかはわからないが、国防、防衛力の「大転換」(big conversion)を増税でまかなう政策転換を政権、与党だけで決めて、物価高で苦しむ国民にはさらに増税負担を強いる実績づくりではとても胸を張れるものではない。

 (5)岸田首相は安倍元政権では外相を長く担当して国際協調、安保環境づくりへの外交手腕、能力に期待されたが、アジア、近隣国の警戒感を強める日本の国防、防衛力の大転換では、国民からすれば大きな思惑違いだ。

 (6)岸田首相が実績づくりで米国、NATOの方を向いて国民に背を向けるようでは、国民の信頼、支持はますますおぼつかない。日本の国防、防衛力の大転換は安倍元首相の遺志を継ぐものであり、成長路線の踏襲と党内最大派閥安倍派の意向とも重なり合って政局が見え、岸田首相の「大転換」でもあり、これから岸田首相がどこへ向かうのか確信も見えずにラプソディ・イン・ボヘミアンだ。
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