(1)日米、日加で注目を集める企業買収が進んでいる。経済再編(economic reorganization)はそれだけで産業革命であり、起爆剤であり、原動力(dynamism)になるものだ。日米では日鉄によるUSスチールの買収計画が進んでいて、こちらの方は粗鋼生産世界24位の企業経営危機のUSスチールを同4位の日鉄が買収するもので企業同士では合意に達しているものを、かっての米国を代表する企業のUSスチールの米国市場からの離脱に大統領選を争うトランプ前大統領、ハリス副大統領が労組票獲得を巡ってともに反対を表明して、交渉が難航している。
(2)USスチール買収に日鉄側は全株式2兆円で取得し、完全子会社化するものだ。もうひとつ日加の方はカナダのコンビニ大手クシュタールが日本のセブン&アイを買収するもので、こちらの方は5兆5千億円~6兆円の提示があったがセブン&アイ側は「著しく過小評価している」
(報道)としてクシュタールの提案に反対を示した。
(3)円安により日本企業の世界的な企業の買収計画が進んでいるが、日銀が利上げに踏み切って円高、ドル安が進むとみられる経済事情から利益優先主義の日本企業のかかわる大型企業買収の話題だ。
企業のステータス、安全保障、独禁法など問題もあり複雑で日米、日加の企業買収計画もすんなりとはいかない背景はあり、問題を抱えての買収計画だ。
(4)企業経営、業績不振のUSスチールの買収(2兆円)と世界に8万5千店舗を有するセブン&アイを1万7千店舗のクシュタールの買収(6兆円)計画(報道)では金額に3倍の開きはあるが、セブン&アイは過小評価として反対した。
しかしセブン&アイ側も2024年最終利益が前期比で20%減で海外、国内コンビニ事業の不振が指摘されている。USスチールの事情と似ている。
(5)そういう業界をとり巻く環境、事情とともに、政治、経済市場の影響、背景も大きくたちはだかる。米国は大統領選で候補者の労組票獲得、独禁法、日銀の利上げ転換だ。ともにスケールの大きい世界的な企業買収計画であり、経済再編による産業革命が動き出す気配も感じるもので政治、経済としても関心は高く、集まる。
(6)国内企業の吸収、合併、事業協力で企業体質強化が進み、世界でも為替、景気に左右されない強じんな企業体質、体制を目指す経済再編の動きは加速すると考える。その先には産業革命が待ち受けるだろう。