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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

リスク二面性。 double phase of risk

2021-02-26 20:03:43 | 日記
 (1)新型コロナ感染死亡者が全国唯一「ゼロ」の島根県で丸山知事が東京五輪聖火リレー中止検討を表明した。島根県は聖火リレーが最も安全、安心に遂行できるコロナ事情にあるとみられるが、政府の緊急事態宣言地域から外れて国からの時短協力金(6万円)の対象外となって県内事業者への支援が自治体独自の努力に限られて、財政状況の厳しい島根県知事としては国、東京都のコロナ対策、収束への不満も大きく、それでは聖火リレーに協力できないとの表明となった。

 (2)東京五輪の開催もどうなるのかわからない今日的コロナ感染状況の中で、東京五輪開催に反対する島根県知事の聖火リレー中止検討かと思ったが、報道によると事情は国、東京都のコロナ対策、感染拡大を抑えられない不満が出た。

 聖火リレーは県と五輪組織委の協定により全国リレー方式で聖火が国内を一周する計画で、島根県で途切れることになりインパクトのある中止検討表明だった。

 (3)情報化、IT時代で五輪聖火を全国リレー方式で一周するのも今更開催機運を盛り上げようというのも物見遊山的でどうかとも思うが、国、東京都のコロナ対策への不足、不満があり、島根県も感染者がこれまで累計で東京都の大幅減少した1日分程度という中で、しかし県内経済、事業者には都市圏と等しくリスク影響が出てくることに反発、不満があり、それなら聖火リレー中止検討という対抗手段に出た。

 (4)国、東京都に対する五輪人質的、制裁的な意味合いのある聖火リレー中止検討であり、島根県知事の怒りは国民として理解できないものではないが、矛先が国の経済対策、支援にではなく聖火リレー中止に向けられたところがなかなか国民の理解が及ばないもので、が、しかしそうでもない。

 東京五輪はIOCが4月末までにどういう形式で開催するのか、開催しないのか、観客を入れて実施するのか、無観客で実施するのか、しないのか決定するとしているが、コロナ感染対策の決め手となるワクチン接種は4月中旬の高令者接種から一般国民接種が始まる予定で、海外製薬会社の供給体制によっては計画が遅れることも示唆されており、7月の東京五輪の観客を入れての開催には厳しい工程であり、すでに東京都も五輪に1兆円以上の経費予算を負担して海外からの訪日客、観戦者の受け入れ対応ができないとなれば経済効果は期待できずに、東京五輪は開催しても(多分無観客あるいは限定)開催しなくてもリスク負担の大きな東京五輪となることを覚悟しなければならない。

 (5)実はそういうリスク二面性(double phase of risk)問題を提起した島根県知事の聖火リレー中止検討の表明だった。
 

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