(1)訪露した安倍首相がロシア・ウラジオストクの東方経済フォーラム全体会合に出席して、檀上には左から安倍首相、真ん中に中国習主席、その左にロシア・プーチン大統領(報道写真)が並んだ。
日本は中国とは今年日中平和条約締結40周年を迎えて、ロシアとは平和条約締結は懸案となりながら北方4島返還問題が解決せずに締結されないままだ。
(2)そこで出たロシア・プーチン大統領のあらゆる前提条件なしの年末までの平和条約締結の提案だった。あきらかに北方4島返還を前提とした日露平和条約締結の日本方針とは受け入れられない提案だ。
習主席を挟んで遠慮したのか安倍首相はその場では特に反論はなかった(報道)といわれており、しかしロシアン・ペースの中で言うことは言う日本の外交力の低さを示す残念な場面でしかない。
(3)後になって安倍首相が日本の従来の立場を主張して、プーチン大統領の発言を「条約締結への意欲の表れ」(安倍発言報道)と語られても、国際政治関係ではわかりにくい日本の主張でしかない。
これで現在、総裁選中に立候補している安倍首相(総裁)の外交評価の支持が自民党内で高いというのは、何を見ているのか訳が分からない。
(4)日中平和条約は今年で締結40年を迎えて関係改善に向けて進展機運は見えているが、尖閣諸島領有権問題を抱えて中国艦船、潜水艦、漁船が連日日本のEEZを超えて侵入をくり返していて、時には領海侵入もあり、日中平和条約の締結効果は語られずにその意義はみられなかった。
それでも平和条約(a peace treaty)の締結は両国関係が対立、対決することがエスカレートしたときに危機、破滅への抑止力として一定の意味はある。
(5)日中関係を見れば、アジアをけん引する両国として平和条約をまったく無視して危機的、壊滅的状況に向かわせることはリーダー国としての国際的権威、立場、期待、責任を自ら否定することにつながり、一定の解決への抑止効果は考えられる平和条約締結だ。
とは言っても尖閣諸島領有権問題では歴史認識もあって平和条約そっちのけでの主張の対立、軍事力挑発が続いて、平和条約効果はなかった。
(6)そういう日中両首脳を横にしてのプーチン大統領の日露平和条約の前提条件抜きの条約締結の提案であり、そもそも実効性のみられない形式主義(formalism)の色合いがより鮮明に感じられるものだ。
日露平和条約締結を阻害しているのは、日本固有の領土である北方4島が世界大戦後ロシア(当時ソ連)によって占領、領土化されているからだ。
(7)ロシアは北方4島は法律的にロシア領土となったことを主張しているが、日本は全面返還を求めて対立している。
領土問題は尖閣諸島問題で日中が全面対立しているように、国の主権、領土、権益にかかわる最重要外交、政治課題であり、平和条約が締結されている日中間でも対立混迷しているように、これ抜きでの実効性のある平和条約締結など考えられない、ありえない都合主義の方法論(methodology)だ。
日本は中国とは今年日中平和条約締結40周年を迎えて、ロシアとは平和条約締結は懸案となりながら北方4島返還問題が解決せずに締結されないままだ。
(2)そこで出たロシア・プーチン大統領のあらゆる前提条件なしの年末までの平和条約締結の提案だった。あきらかに北方4島返還を前提とした日露平和条約締結の日本方針とは受け入れられない提案だ。
習主席を挟んで遠慮したのか安倍首相はその場では特に反論はなかった(報道)といわれており、しかしロシアン・ペースの中で言うことは言う日本の外交力の低さを示す残念な場面でしかない。
(3)後になって安倍首相が日本の従来の立場を主張して、プーチン大統領の発言を「条約締結への意欲の表れ」(安倍発言報道)と語られても、国際政治関係ではわかりにくい日本の主張でしかない。
これで現在、総裁選中に立候補している安倍首相(総裁)の外交評価の支持が自民党内で高いというのは、何を見ているのか訳が分からない。
(4)日中平和条約は今年で締結40年を迎えて関係改善に向けて進展機運は見えているが、尖閣諸島領有権問題を抱えて中国艦船、潜水艦、漁船が連日日本のEEZを超えて侵入をくり返していて、時には領海侵入もあり、日中平和条約の締結効果は語られずにその意義はみられなかった。
それでも平和条約(a peace treaty)の締結は両国関係が対立、対決することがエスカレートしたときに危機、破滅への抑止力として一定の意味はある。
(5)日中関係を見れば、アジアをけん引する両国として平和条約をまったく無視して危機的、壊滅的状況に向かわせることはリーダー国としての国際的権威、立場、期待、責任を自ら否定することにつながり、一定の解決への抑止効果は考えられる平和条約締結だ。
とは言っても尖閣諸島領有権問題では歴史認識もあって平和条約そっちのけでの主張の対立、軍事力挑発が続いて、平和条約効果はなかった。
(6)そういう日中両首脳を横にしてのプーチン大統領の日露平和条約の前提条件抜きの条約締結の提案であり、そもそも実効性のみられない形式主義(formalism)の色合いがより鮮明に感じられるものだ。
日露平和条約締結を阻害しているのは、日本固有の領土である北方4島が世界大戦後ロシア(当時ソ連)によって占領、領土化されているからだ。
(7)ロシアは北方4島は法律的にロシア領土となったことを主張しているが、日本は全面返還を求めて対立している。
領土問題は尖閣諸島問題で日中が全面対立しているように、国の主権、領土、権益にかかわる最重要外交、政治課題であり、平和条約が締結されている日中間でも対立混迷しているように、これ抜きでの実効性のある平和条約締結など考えられない、ありえない都合主義の方法論(methodology)だ。