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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

右傾化と孤立。 turn to the rightism and isolation

2013-05-10 19:40:02 | 日記
 (1)自衛隊の実力、実態は少なくとも平和憲法の戦力不保持の制約(個別的自衛権の範囲内)があるから、国民には「うわさ」以外はよくわからないのが実情だ。「うわさ」によると海外では優に世界で有数の軍事力との評価がある。

 平和憲法を守る立場から、唯一の被ばく国としての悲惨な国民的経験、既視観(デジャブ)からも元々戦争なんかする気は毛頭もないが、安倍政権は憲法改正、自主憲法制定、自衛隊の国防軍化、集団的自衛権の容認、閣僚の靖国参拝容認と保守色、右傾化理念(turn to the rightism)の本質を鮮明にして、強い日本を取り戻すと宣言して、かって旧日本軍による植民地支配を受けた中国、韓国から排斥運動と歴史認識責任を強く求められて外交摩擦が続いている。

 (2)たとえ仮に世界有数の軍事力の自衛隊を有していたとしても、平和憲法の建前がある以上世界からは今すぐに日本(国民)がその軍事力を他国に向けることなど想像だにしていないことは、これまでの日本の国際社会、政治での行動パラダイム(paradigm)の実証から容易に理解できる。

 安倍政権が言う尖閣領有権問題での東シナ海での中国の軍事力増強、誇示にしても、元を質(ただ)せば日本が実効支配している尖閣諸島の国有化宣言(前民主党政権)であたら波風をこちらから立てたことが発端だ。
 安倍政権はやたら日本を取り巻く国際政治情勢の不安、危険を訴えて、日米軍事同盟を基調とする主権、保守的右傾化思想を主張して、尖閣領有権問題の教訓も省(かえり)みずに中国、韓国との外交あつれきを強める自ら問題複雑化への二の舞の懸念の道を進んでいるのが現状だ。

 (3)韓国の朴クネ大統領は、旧日本軍の植民地支配被害による歴史認識問題の反省、責任を強く日本に求めて、中国寄りの外交姿勢を強めている。現在訪米中のオバマ大統領との会談でも歴史認識問題を取り上げて、ともに中国政策を重要視する中で米国の理解を得ている。

 予想されたように安倍政権の保守的右傾化思想志向は、日米中韓のアジア戦略の中で日本がひとり突出して孤立(isolation)する懸念も見える様相だ。

 (4)米議会調査局が1日付けでまとめた報告書では、安倍首相を「ストロング・ナショナリスト」として「地域の関係を壊し、米国の利益を損なう恐れがある」と指摘(報道)している。

 これは公式に米国政府や議会の考えを示したもの(資料)ではないが、パラドックスとして米国の日本への対応、見方を政府に代わって示したものであることは想像できる。

 (5)米国による歴史認識問題の理解といい、そうでなければ政府からの否定もなく議会筋から公然と出てくる話ではないからだ。
 これからの安倍政権の憲法改正論議の中身によっては、日本対米中韓の対立構図もさらに問題を深刻化させることになるだろう。

 外圧によらずに日本の立場を守ることは重要だが、自国(内)だけを見て存在尊厳を取り戻すことだけでは国際協調主義の世界では理解を得られない。
 もう二度と70数年前の「いつか来た道」の日本に戻ることなど出来ないし、過去の教訓、今は世界第3の経済(GDP)成長国から他の協調選択肢はあるからだ。

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