goo blog サービス終了のお知らせ 

いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

与党の審議拒否。 veto of debate by ministerialists

2013-05-09 19:55:35 | 日記
 (1)前代未聞の国会運営が続いている。国会始って以来という常任委員長の本会議での解任決議に、これに異を唱える「与党」の予算委員会への出席拒否(veto of debate by ministerialists)だ。

 これまでは少数野党が与党の独断先行の国会運営に抗議、対抗手段として委員会出席拒否戦術をとるのが常態であったから、与党の審議拒否は耳を疑うような話だ。昨年度の政権交代で新年度予算の成立が大幅に遅れている中での、与党責任の予算委員会の審議拒否は説明力がない。

 (2)自民党の元外相の川口参院環境委員長が中国出張業務で現地からの期間延長の申し出が許可されなかったのに、独断で滞在延長して中国要人との会談に出席しこれによって開催日が重複した自ら委員長の参院環境委員会に出席できずに(せずに)、不開催になった政治責任を問われたものだ。

 (3)常任委員会は委員長出席不可能の場合には、制度上代理責任者による開催も考えればいいことで、一方所掌委員会の開催日がありながら現地から滞在延長を申し出て不許可を無視して滞在延長した同委員長と、最近安倍政権の順調な政権運営の中での慢心、わが世の春、ゆるみが指摘される国会運営そのままの、どちらもどちらのあきれた行状というべきだ。

 今夏の参院選をにらんでのお馴染(なじ)み「政治」無視の不毛の与野党の「政局」駆け引きの格好の材料となったのだ。

 (4)現地滞在延長の理由が中国前外相との会談が急きょ決まってのもので、近年の中国との外交あつれき関係の改善に向けて貴重な機会ととらえてのもので、日本のメディアもおおむね理解を示して政局がらみの国会の延長不許可対応を批判しているが、そうとばかりもいえない。

 政治理論上は、外交(中国出張)は事前に用意周到に相手国と準備、根回し、計画しての目的効果性が常識で、現地で急きょ設定された会談、業務などは相手国の意図とは別に受ける側にとっては政治的効果なものになるとは言い難いものだ。

 (5)国会開催中は国民から付託を受けた職務遂行上、当然のこととして議員の外遊、出張は控える不文律のある中で、今回は特に開催委員会を考慮して2日間認められたもので、その後いかに本人が考える貴重な外交関係の機会到来とはいえさらに滞在延長を申し出て、その不許可判断の比較対効果の善し悪し(政局)は別にしても延長を認められなかったのに、自らの開催委員会を無視して独断で滞在延長した行動は常任委員会委員長としては無責任で許されることではないというのが筋ではないのか

 (6)もちろん、これをもって本会議での同委員長解任決議というのもあまりの政局がらみの「あげ足取り」的手法で、国会機能としては大人気(おとなげ)なくてみっともない。せいぜいペナルティ(外遊制限)付きの厳重注意処分だ。

 どちらにしても国会が慢心、ゆるみでなんとも締りがない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする