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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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トヨタの教育力。 educational power of toyota motor

2012-02-10 19:45:54 | 日記
 (1)高価格の割に自動車1台の利益率は低いと言われている。部品の共有化、省エネ、省コスト、製造システム改革での自動車産業革命も求められている。トヨタ自動車が苦戦している。
 11年の世界販売台数でそれまでの1位から、不振から脱却したGM(米)に抜かれVW(独)の追い上げで3位に転落した。

 トヨタは11年4~12月期営業利益(連結決算)が前年比較72%減という破格の下落幅となった。その後、高燃費のPHV車の生産販売で海外市場で持ち直して12年3月期では同42%の減益の上方修正に向かった。
 それにしても米国自動車産業社会を制した08年の営業利益に比較して、4年間で10分の1の減益という壊滅的な現状だ。

 (2)北米、欧州でのHV車の事故による情報開示、リコール対応の遅れに対する賠償制裁から始まって、急激で長引く円高、タイ洪水、国内の自動車離れに韓国車の追い上げと逆風のスパイラル(spiral)の中での大幅減益の苦戦を強いられている。

 トヨタは中国など新興国向けの販売戦略が国内自動車産業の中で最も遅れをとり、その理由でもある国内の数多い中小下請け企業群(トヨタの「カンバン」方式を下支え)を抱えて国内生産重視拠点化がさらに円高(輸出)、震災の影響をモロに受けた。
 日産やホンダはこの間に新興国中心に海外での生産販売を積極的に増やしている。

 (3)トヨタの場合、国内の数多い中小下請け企業群が良くも悪くも経営成長戦略の基盤を成しており、急激で長引く円高でも海外生産拠点化に一気に踏み込めない国内事情もある。
 そこえ来ての内外の大震災、災害に若者中心に国内の自動車離れの傾向が顕著になって打撃に追い打ちをかけた。

 トヨタは日本経済の基幹企業としての自覚、国内雇用の維持を名目に国内生産重視、堅持を打出し、プロドライバー・ライセンスを持つ社長は企業理念としてユーティリティ車(utility car)のほかに若者を対象とした夢のあるスポーツタイプ車の生産販売戦略を表明している。トヨタの高い企業内教育力(専門部門)が強固な販売ネットをつくり上げ、成長産業にしてきた。

 今はトヨタの特質でもあった経営、生産システムの構造上、海外拠点化に移行しにくい経営体質もあって、急激で長引く円高は大きな障壁となっている。自動車各社では、東日本大震災、タイ洪水で見せたパーツ集中供給方式の影響、欠陥を踏まえて、生産システムの見直しに迫られている。トヨタは11年の営業利益の大幅減益を迎えて、経営、生産、販売方針の見直し、建て直しに迫られている。

 (4)トヨタの国内販売ではHV車(プリウス)の販売は好調(8か月連続1位)で、さらに海外市場戦略として高燃費のPHV車の生産販売も後押しする。
 時代は環境適応社会に向かって自動車もガソリンからHV(hybrid vehicle:ガソリンと電気混成)、PHV(plug in hybrid vehicle)へ電気自動車(EV)へシフトしている。

 トヨタは生産販売の「カンバン」方式とあわせて「企業内教育力」の高さがステイタス
であった。トヨタ教育力(educational power of toyota motor)によるあたらしい時代、社会、将来のニーズにあった「トヨタ」のあたらしい企業マインド(mind)、ガバナンス(governance)と製造システム革命をどう構築するのか。トヨタの教育力が試される。

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