山の家で春の楽しみの一つが嫁菜摘みである。
嫁菜の若芽を摘み サッと茹で細かく刻んで薄い塩味にして
炊きたてのご飯にかけて食べる・・・・
鮮やかな緑色、香り これを口にする度に幼い頃を思い出す。
母がこの嫁菜ご飯をよく作ってくれた。
青臭さの中に菊の香りに似た味がして 何とも言えない懐かしい香り、味である。
香りといえば 山の家の庭にはモミジガサが沢山芽を出しており 摘みたてを茹でてお浸しにする。
東北地方では モミジガサのことをシドケと言い個人的には山菜の王様だと思う。
こうしてみると私は香りのものが好みのようである。
庭のアマドコロ、コシアブラ、モミジガサ、嫁菜、蓬、頂いたタラの芽を天ぷらにしたが
天ぷらにすると本当の香りを味わうことが出来ない様な気がする。
香りと言えば 今年も山椒の新芽を摘んで ジャコ山椒を作った。
このジャコ山椒を これまた郷里、木曽路の郷土料理「ほう葉ずし」の具の一つにする。
6月初旬ごろほう葉の葉の頃合いを見て ほう葉すしを作るのも楽しみである。
このほう葉ずし 地元である本家本元の友人に送るのが慣わしになっている。
本家本元で作ったもの、売られている物より私が作るほう葉ずしの方が格段に美味しい・・・と
言われ(お世辞かも・・・)毎年送っている。
ほうの葉で包まれたすしを開くときの 何とも言えないほうの葉の香り
うぅ~ん! 目を閉じて香りを想うだけでワクワクしてくる。