1783年(天明3年)7月6日に浅間山が噴火し、
大規模な噴火は3日間続いた。
噴火により発生した火砕流は北方にV字型に
流れ下った。
その後、3ヶ月間続いた噴火活動により堆積した
噴出物は、重量と震動に耐えきれず、土石雪崩と
なって北方に流れ下り、現嬬恋村と長野原町の
一部の集落を壊滅させ、吾妻川の河道を閉塞。
その後、自然ダムの決壊で大洪水が発生した。
大規模な泥流は、吾妻川から利根川に流れ込み
流域は大洪水に襲われた。
この時の犠牲者の遺体が、利根川や江戸川の
下流でも流れ着いたと言う。
浅間山噴火に伴う一連の災害による死者は
1624人、流出家屋1151戸、焼失家屋51戸。
この噴火により噴出した火山灰やガスが、10万
人の死者を出した天明大飢饉の原因とされたが
東北地方の天候不順による冷夏現象は、1770年
代初め頃から発生しており直接的な原因ではない。
同年の1783年6月8日、アイスランドのラキ火山が
水蒸気爆発を起した後、長さ26Kmに及ぶ大規模な
線状噴火となり、130もの火口から噴き上げる
噴煙の高さは1万5000mに達した。
更に、ラキ火山近くのグリムスヴォトン火山も
大噴火をして、両火山から800万トンのフッ化水素
ガスと1億2000万トンの二酸化硫黄ガスが噴出し、
スカンディナヴィア半島から北欧へと広がり、
やがて北半球上空に拡散し、覆った。
この結果、ヨーロッパでは冷夏による大飢饉が
発生し、飢えと貧困が1789年のフランス革命の
原因となったと言われる。
ラキ火山の噴火による影響が日本にも及び、
天明大飢饉の原因となったと考えられている。
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