旅限無(りょげむ)

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夫婦喧嘩は犬も食わない 其の弐

2006-03-13 15:58:48 | 社会問題・事件
■夫婦の問題をあれこれと詮索するのは、実に味気なく馬鹿馬鹿しいことであるのは承知ですが、種族が保存されて安全に暮らしていく基盤が家族であり、その始まりは「夫婦」なのですから、これは人間にとって永遠のテーマなのでしょうなあ。他の哺乳類を研究している学者達も、熱心に動物の「夫婦関係」と「親子関係」を観察していますから、人間の夫婦ほど面白いものは無いかも知れませんなあ。芸能雑誌などは、芸能人の仕事などどうでも良いらしく、くっ付いたの離れたのと、そちらばかりを熱心に追廻わして雑誌の売り上げを伸ばしているのですから、誰でも自分に引き比べて他人の夫婦を観察したいのでしょう。

…殺人未遂容疑で逮捕された中国出身の妻、詩織容疑者(33)が事件の1年半ほど前から、茂さんとの間にできた2人の息子を中国の親族に預けたまま帰国させず、茂さんともめていたことが関係者の話でわかった。千葉県警は、犯行動機として、資産目当てだけではなく子どもの養育を巡る意見の相違もあったとみて詩織容疑者を追及している。詩織容疑者は、2003年10月、茂さんに熱湯をかけて大やけどを負わせたとされる傷害事件でも逮捕、起訴されているが、長男(7)と二男(5)は、この事件の約1年前から中国の親族に預けられていた。

■夫の茂さんという人が、尻に敷かれているというよりも、何だか手玉に取られておろおろしている姿が目に浮かびますが、3年前に日本国籍を取る前に2人の子供を中国で育て始めてた段階で、弁護士に相談に行くべきだったのかも知れませんなあ。


茂さんは当初、友人らに「息子たちにはアトピー性皮膚炎もあるし、中国の方が環境がいいから」などと説明していたが、帰国しない状態が続くうちに「会いたいが、嫁が会わせてくれない」などと愚痴をこぼすようになった。近所の人もこのころから夫妻が言い争う声を度々聞くようになったという。

■中華4000年の秘薬でも使っていたのか、温暖な千葉の田舎よりも極寒の黒龍江省の方が環境が良いという話を信じ込んだとしたら、それは大きな過失だったでしょうなあ。


茂さんは、長男の就学時期を直前に控えた04年3月下旬、近所の知人からお古のランドセルを譲り受け、別の友人に「嫁はなかなか腰を上げないが、(長男の)入学が近いから、息子たちを迎えに行く」と話していた。しかし、同年4月1日から2日朝にかけてインシュリンを大量投与され、意識不明になった。また、これまでの調べで、茂さんは死亡時約1000万円の生命保険に加入し、預金も1000万円ほどあったことも判明した。読売新聞 - 3月13日

■この記事の通りだとしたら、容疑者は2人の子供を「夫婦の子供」とは考えずに「自分の子供」と考えていたようにしか思えませんなあ。それは同時に、「自分の一族の子供」という事を意味しますが、チャイナには長い華僑の歴史が有るので、一族の中に様々な国籍を持つ人間が混じっている事に慣れていますし、いざとなれば一族でその国に逃げ込む避難先が増えたと喜ぶものです。日本列島にしがみ付いて「一所懸命」に先祖伝来の農地に執着する日本の農民と、中華4000年の巨大な離散と流浪の歴史を持っているチャイナの人々とが夫婦として理解し合うのは非常に難しいのではないでしょうか?

■同じ日本人同士で結婚しても、生まれ育った場所が違えば習慣や味覚が違って夫婦中がぎくしゃくするものです。それが日本であろうと外国であろうと、少なくとも相手の出身地の歴史や文化を調べて学ぶ事は必要でしょうなあ。江戸時代までに完成した土地に強く結び付いた日本の家族制度のままで、アメリカ風の「恋愛結婚」やら華僑風の「国際結婚」などを易々と取り入れるのは、非常に危険なのだと知るべき時期ではないでしょうか?まして、妙に無口な男が褒められる伝統まで残っているので、夫婦の会話が無い事を問題視しない文化からは深刻な問題が生まれるものです。そこに残業だの「サービス残業」だのと、夫婦や家族で過ごす時間がどんどん削られているのですから、離婚が増え続けるのも当然なのでしょうなあ。

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