「君の名は。」の聖地が進める「君の名は。」離れ~飛騨市古川町、聖地巡礼ブームのその後~
この記事、読んでいて非常に気分が悪くなった。
本当にこの記者は、映画を見たのか?ということと、現地に行ったのか?ということだ。
ただの電話取材で終わらせたんじゃないかと思うくらいお粗末なレポートだった。
まず、観光客(特に若い女性)が増えたという聞き取り調査結果だ。
まあおそらく、タマ数(観光客自体)が増えたのは事実だろう。
でも土産物屋が、それでなぜ増やさなかったのかという記事に違和感を覚える。
そもそも、古川がある飛騨市には、映画にちなむお土産屋は2軒しかない。
だが、そんなお土産屋は、映画の影響ではじめたわけじゃない。
この記事にもあるように、およそ12年位前にも古川町を舞台にした作品の影響でブームになったことがあるらしい。
だけど、商業目的で古川の街を展開させなかったわけだし、君の名はでもそうだ。
この記者は、本当に現場に行ったことがあるのかと発言したのは、古川の駅から少し離れた「起こし太鼓」が展示されている公園というか広場があるところに、むちゃくちゃ多数の観光客(インバウンドの外国人客を含む)がいたということを確認しているのかということに由来する。
その広場に多く観光に来ていた客の年齢層は、外国人客を除くとほぼ高年齢層だ。
つまり、映画とは関係なく観光に来ているのだ。
(映画の恩恵があるお店だって、前述の同じ2店舗)
彼らの目的は、太鼓のほかに瀬戸川だったり白壁土蔵街、旧・福全寺(大イチョウ)など、様々見どころがいっぱいあるから観光に来ているのだ。
「君の名は」のモチーフとなった味処古川という土産屋兼食事処は、もともとは、そんな観光客らをもてなすためのお店でしかなかった。
たしかに現地に行った感じでは、君の名はに関連して、まだだいぶしゃぶっていたけれど、一時の波に奢らず粛々と営業しているようにしか見えない。
なぜなら、お年寄り中心の観光ツアーとして大型バスが到着するくらいの活気も確認できたからだ。
自身のブログでもつづったが、そもそも映画の恩恵があった施設は、飛騨市古川にあるなかでもごくわずか。
高山市に至っては、モデルとなった神社が果たしてどこまでって感じだし。
つまり、たくさんの観光客が訪れたのは事実だろうが、古川の街中では、ほとんどお金を落としていないのだ。
高山市では宿泊費が落ちているかも知れないので、まあ、この辺は記事のとおりかもしれん。
記事中で納得できたのは、そんな宿泊施設問題だ。
オレも本来は、バス停にも行けたら行くという縦軸を用意した旅行を計画していたのだが、古川には適当な宿がなかったため、高山に泊まった事実がある。
おそらく、大挙して訪れたという時代は、古川に宿泊施設が限られるため、多くの人が高山に泊まったのかもしれない。
でも、だからといって、古川に景色のバランスを壊してまで宿泊施設をつくることは、オレも望まない。
今のままでいいんじゃないの?
高山市と古川市の棲み分けはできているような気がするので、記事にある「民泊系の宿泊施設を古川に作るべきでは?」という提案には反対。
改めてこの記事で許せないことは、君の名はのブームが去れば古川の街が寂しくなると記述していること。
いやー、オレは観光客が減っても落ちるお金は変わらないと考えるのだが?
オレのブログでも綴ったが、聖地巡礼でくる日本人客は、たしかにほとんどいなかった。
正直、聖地では俺一人だったことが多いよ。
だけど、多くのアジア系外国人が、いまだに現地で巡礼している現状に立ち会った。
つまり、タイムラグがある状況でアジア系の外国人が訪問してくれているのだから、もしかしたら、いつか欧米にも流れてヒットするかもしれないし、何度か繰り返すかもしれない。
高山市では、2017年に「氷菓」というアニメが実写されたことに伴う聖地巡礼ツアーもあったという。
現地の人に聞くと、君の名はほどではないというが、かぶった場所もなくちょっとブームになったという。
つまり、もしかしたら歴史は繰り返して、両市がなにかの聖地となることだってある。
ほかに、もしかしたら古川にある「飛騨市美術館」で、また「君の名は。」展みたいなイベントをやるかもしれない。
それに、オレみたいに「君の名は」を数年後に鑑賞してスイッチが入る日本人だっているかもしれない。
それに、オレみたいに「君の名は」きっかけで、高山市と飛騨市古川を大変気に入ってしまい、年に一度以上、今後も訪れようと思う人もいるに違いない。
だから、飛騨市を(悪く)いじることは許したくない。
そんな記事にしたかったのだけど・・・伝わったかなぁ。
【以下、参考資料】
関連記事を読みたい方は、以下からお願いいたします。
・ 「君の名は。」の聖地が進める「君の名は。」離れ(飛騨市古川町、聖地巡礼ブームのその後)東洋経済オンライン
・ 「君の名は。」聖地巡礼ツアー → nobizouブログ(アメーバブログ編)
・ 「君の名は。」聖地巡礼ツアー → nobizouブログ(gooブログ編)
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