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分子生物学との出会いその1

2007年02月26日 | 仕事・研究
私がはじめて分子生物学のさわりを習ったのは、大学の時です。
生化学の時間に核酸の構造なんかを習いました。その頃は分子生物学だけの独立した講義はなくて、実験実習でもやらないし、ほんとに教養程度で終わってしまいました。でも、自分ではこの手の学問は「むずかしい」「興味が持てない」という領域でしたから、自分から進んで勉強などしませんでした。当然苦手意識の強い分野でした。

卒業して働き始めてしばらくしたとき、上司が一枚の新聞の切り抜きを持ってきました。そこにはPCR法という、DNAを試験管内で増幅する方法が発見されたので、微量なDNAも扱えるようになった、というようなことが書いてありました。その時は聞き流していましたが、すぐ、そのPCR法というのはものすごい勢いで広まることとなり、私の所属していた研究所でも、導入しなければならない技術の一つになりました。私の上司は、「こういう新しいことは若い人の方がいいから」と言って、卒業してまもない私を国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)での研修に派遣しました。

当の私は、「えええっ。核酸のかの字もわからん私にむちゃくちゃや」と思っていましたが、言われたとおり東京に出かけてその技術を習いました。その後、怒濤のように遺伝子解析の技術が一般に使われるようになり、私の研究は一変しました。

私は英語も苦手でした。分子生物学はきらいでした。
なのにどういうわけだかどちらにもどっぷりつかる生活になりました。
大学にいたとき、先生に勧められた「分子生物学の夜明け」という本、その当時は手に取っただけで読む気になりませんでしたが、仕事でDNAを扱うようになったとたん、その本がめちゃくちゃおもしろい本になりました。

この続きはまたあした書くことにします。

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