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新しいことを見つけるって楽しい!

研究費採択

2018年06月18日 | 仕事・研究
【朗報】伊藤記念財団の研究助成に採択されました。

今年は新しいテーマを2つ立てましたが、2つとも研究費がついたわけなので、大変幸運です。しかし当然ながらその分しっかり進めないといけません。これらの新しいテーマは、いろんな人と協働しないとできない内容なので、様々な調整が必要になります。その調整に非常に時間がかかるので、忍耐の日々です。しかし、これを乗り越えて、次の次元に行きたいと思ってます。

さて今日は学生が実験を失敗し、「無駄になった」というので、「全然無駄じゃないよ」と言ったのですが、なんでも最初からうまくはいかない。いろんな失敗をしてきちんとできるようになるまでに得られるものが大きいのです。手技を間違うというようなことだって、事前の確認・準備が不十分だったから起こることですが、一回やれば次はそこが間違いやすいとわかるわけで、ちゃんと次につながる。安定したデータを取れるようになるには、数回やったくらいじゃ全く足りない。だけど、そのためにも、うまくいかなかったときはそれをきちんと扱ってほしいですね。そのまま捨てるんじゃなくて。同じことを繰り返さないように。

実験だけじゃなく、どんな場面でも、失敗というのは大事にしないといけない機会なんですよね。最短距離で行きたい人が多いんですが、最短距離で行ってしまうとその時はいいかもしれないけど、深い理解を得ずに行ってしまいがち。学生がそのことに気が付いてくれるといいんですけどね。




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就活と自分探し

2018年06月12日 | 大学でのひとこま
うちの研究室の学生たちは、まだ就活が終わりません。
内定をもらっている子もいるけど、まだ活動中です。

この時期、第1志望に決まらない、第2志望以下もちょっと危ない、持ち札がなくなりつつある、、、となってくると、ちょっと気持ちが不安定になります。私には毎年のことだけど、本人にとっては経験がないから不安になりますね。求人はこれからも出てくるので、粘り強くやっていれば決まらないことは絶対にないけれど、この時期はまだそれも見えないから本当に不安そうです。また、受けている会社が本当に自分に合ってるのか?とか、このままでいいのか?とか、とにかく悩みは次々に出てきます。

私は毎年静観していて、手伝った方がいいなと思われるときには手伝うという感じですが、自分というものがよくわかってないということも、就活で揺れる原因かなーと思ってます。自分の得意はどこにあるのかということがわかればいいのですが、意外とわからない。そういうときは、客観的な意見を求めるのもよいと思うのですが、あまりそういうことを人に聞けないのかな。自分一人で考えてぐるぐるしているよりはずっと早いと思うけれども、ハードルが高いようです。

「ガッツ」という言葉は死語かもしれないけど、わたしは大事な姿勢と思っています。gutからきた言葉で、gutはおなか(腸)ってことなんですが、ようは胆力があるってこと。ちょっとやそっとじゃへこたれない。八方ふさがりの中でも解決の道を見つけることができると信じる力、努力を続ける力。そういうのを大学3年生までに養ってきてほしいんですが、実際はなかなか、、、。就活に入ってから気が付くことが多いですね。

行く道が決まらないというのは確かに不安なんだけど、逆に言うとまだ決まってないから可能性はいっぱいあるわけで、どんな道に進んでもいいわけなのですから、それを楽しみにできるといいですね。そのくらい楽観的な気持ちが大事。

さて、うちの3人は最終的にどう決まるかな。私も楽しみです。だってうちの卒業生は、みな立派な社会人になっていて、わたしはそれをとても誇りに思ってますが、どの子も在学中はうんと悩んで泣いたりもしながら、この日々を過ごしてましたからね。わたしは、何の心配もしていません。





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行動しながら考えよう

2018年06月10日 | レビュー
行動しながら考えよう 研究者の問題解決術
島岡要
羊土社


これから独り立ちをめざす若手研究者向けの本かな、、、と思いましたが、そうでもなかったようです。私にも役に立つことがいろいろありました。わたしも、日々学生から将来の進路の相談を受ける身なのですが、わたしが通ってきた道が今の学生にそのままあてはまるわけではないので、どう助言したらいいか考えることが多いです。そういうときにも参考になる本だと思いました。わたしも、若い人たちが進む道に悩んでいるときに「立ち止まってしまわないで」というのですが、悩んだときはとにかくいろんなことをやってみて、しっくりくる道を見つけるしかなくて、部屋にこもって考え続けても新しい道など開けないということは、よく覚えておいてほしいなと思います。

私に直接ストレートに役に立ったなという点は、「計画がうまくいかなかったときのリカバリー」の考え方です。新しいプロジェクトはまず最初は失敗する。失敗から始まるのだと断言されてかなり勇気が出ました。明日からも、がんばります。
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断片的なものの社会学

2018年06月04日 | レビュー
断片的なものの社会学
岸政彦
朝日出版社


普段あまり手に取らない類の本ですが、書評を読んで、買ってみました。

いろんな生き方が許容されるつながり方ができる社会がいいんだなと思いました。著者が最後に書いていたように、相手を尊重するということが相手と距離を持つということと同義だということになってしまうと、人として生きる意味がなくなってしまうと思う。相手を真に理解するということはできないけれども、理解したいと考え努力するということがとても大事だと思います。そのために重要なことが、一人一人のもつ小さな物語、言葉を聞くということではないかと思いました。聞いたからといって何かが劇的に起こるわけではないけど、言葉を聞くということはその存在を大事に思っているということの行動ではないかと思うのです。相手を尊重するということは、相手と距離を保ってそっとしておくのではなく、能動的な「行動」でありたいと私は思いました。また、心を留めないで見ていたら過ぎてしまうことの一つ一つを留めてみたとき、その意味や意義が明確になる。意識をもって味わいながら日常を見ていくということを忘れずにいたいと思いました。
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