犀川の河川整備を考える会

犀川の辰巳ダム建設を契機に河川整備を考え、公共土木事業のあり方について問題提起をするブログ。

公共事業>人口減少時代のインフラ整備について(その5)

2012年10月09日 | 公共土木事業評価監視
 水道事業といっても、上水、下水と分かれて、それぞれまたいくつかの事業手法がある。それぞれ、国、県の補助があり、町負担分がある。町負担分について、借金(起債)するが、その元利償還金についても、町がすべて返却するのではなく、国からお金(地方交付税措置)がくる。毎年、複雑な計算の結果、町が、町民がいくら実質、負担しているのか、よくわからない。本来、水道は、受益者がはっきりしているから、受益者から、料金を徴収して帳尻をあわせて、町で使える税金を水道に投入しなくてもよいようにするのが望ましい。社会保障などでいくらお金があっても足りないのだから。ところが、実際には、水道にかなりの税金を毎年投入している。料金を高くするのは、町民の抵抗が大きいからである。だから、必要なだけ、料金を徴収するのではなく、ほどほどのところでということになりかねない。
 能登町でも、今年6月に水道料金を上げた。これで当面でも帳尻があうのかというとそうでもない。10%程度であれば、抵抗が少ないということできめたような気配である。陳情要望という形式で、水道管理者から話を聞くことにした。「要望書」は、以下のとおりである。


平成24年10月9日
能登町水道事業担当者 様

「水道事業の財政について説明を受けたい旨の要望書」

石川県鳳珠郡能登町字中斉ワ部2
中 登史紀(65歳)

私は、本年6月18日、能登町水道課で水道事業の財政について教示を受けました。その時の説明を受けておおよそつぎのように理解しています。

上水道事業については、平成24年6月の水道料金改定の効果で、年間の赤字が解消されて年間4千万ほど黒字になる。簡易水道は4千万ほどマイナスが減るが年間8千万円ほど赤字が残る。上水道の黒字に簡易水道の赤字を合わせると、上水道事業全体は年間4千万円ほどの赤字になる。
また、下水事業(公共、集落排水、浄化槽)の町費持ち出し(赤字と仮定)は、毎年1.5億から2.5億前後の大きさである。
上水道事業と下水事業の赤字の総計は、毎年2億円から3億円程度となる。町民1人当たりに換算すると年間1万円から1万5千円くらいである。

本来、水道事業は受益者がはっきりしていますから、受益者から徴収する料金でまかなわれるものと考えられます。赤字だからということで、水道の料金を値上げされましたが、結果的には、上水道事業についても当面の帳尻があっていません。このままでいいのでしょうか。この先どのような展望を持っておられるのでしょうか、どのような改善案あるいは解決策を考えておられるのでしょうか。負担する人口がどんどん減少する上、高齢化がすすみ、負担に耐えられなくなるような状況がますます進行しそうです。なるようにしかならないとは考えておられないと思います。
町民の一人としてたいへん懸念しています。展望について話を聞かせていただけないでしょうか。

 
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