昨日の続きです。
昭和30年当時、日本の山には日本の復興を支えるほどの木はなかったのでしょう。
だから杭、柱は鉄鋼、軽金属、コンクリートでとなったのでしょうが・・・・・深読みはしません(笑)
それから50年、森林は成熟しました。だから使わなくちゃあとなりました。
言わせていただくならば、どれだけその気運が遅かったことか。口を大にして言ってきたつもりだけど。時遅しと言いたい!!(もう怒りの状態)
何年間前、公の席で木材需要拡大の意見をのべさせていただいたことがあった。住宅の地盤改良に木杭を使ってもらえば、凄い消費拡大になるはずだと。
そばで一級建築士の先生が小さな声で一言「シロアリが」とつぶやいたのを聞き逃しはしなかった。佐久でシロアリの認識がほとんどなかった頃である。
その後、10年保証の地盤補強の項目を見ていて、木杭では保険の対象とならないことを知る。
恥ずかしいの一言につきる。
何十年も木杭を作り続けていた身であってもだ。
木杭は水の中で使用すれば、腐ったりシロアリによる劣化はない。だから水気の多いところでは問題はない。
地球の温暖化か、家を取巻く環境が暖かくなってきたせいか、この佐久でもシロアリの害が確実に増えていると聞く。
今回の研究は飛島建設、早稲田大学、港湾空港技術研究所、北海道立総合研究機構林産試験場の共同である。
今回のレポートは研究の中から「地中における間伐材利用に関する」ものを取り上げているので、私もその中から簡単に。
杭とは自然木そのものという認識が普通だったが、まさしく工業製品化に行くようになるというのが、一番の感想かもしれない。
先ず丸太はロータリー加工という、昔の「かきかたえんぴつ」のように末も元も同じ太さにする。
水中に入らない部分には、木材保存剤で保護する、ただし高圧注入をしないで、薬剤の中に木を立てて入れ、木が乾燥する際の水分移動のしくみを使う、もしくは全部を浸漬する処理で。
面白いのは長い杭が必要な場合、今でも5・6・7・8m位は十分流通可能。かって港の埋め立ての場合など14m位まで十分供給できていた。運搬は大変ですが。
流通しているのは一般的に4m以下。それを2本つなげれば8mになるという原理です。
長尺のコストを下げるために、2本を鋼管塩ビ管でつなぐということ。ラグスクリューで固定するのだそうです。
2本続けて打てばいいではないですか、という発想はずっとあったのですが、お役所の仕様書にない方法は取り上げられませんからね。
木杭の強度性能なんて、研究されていなかったのかもしれません。木材の強度は乾燥した角材で実施されていたのですね。
今回打込んだ地盤の湿潤状態をもかんがみているようです。
最後に引用します。
「木杭打設が液状化や地盤流動化に及ぼす効果について、打設間隔を変えた場合や打設の深さを変えた場合の効果を、小型・中型の振動台実験や重力加速度の50倍の遠心力をかけた遠心載荷場での振動実験によって、飛島建設・早稲田大学が検証しました。
これらの実験は、杭を打設する条件とその効果とを各種装置を用いた実験により科学的に実証することを意図して実施したものです。
今回の検証により、木杭を打設した地盤では木杭を打設しない地盤に比べ、工作物の沈下が抑えられること、木杭の打設間隔を狭めるほど激しい揺れに対しても液状化しにくい地盤とすることができることが分かりました。
現在、これらのデータに基づき、木杭を用いた地盤対策の試験施工や実施工がはじまっている。
以上引用終わり。
あらためて木がよみがえるという感動もあります。しかし役所の工事の仕様書にうたってもらうには、パンフレットがあるものということになるでしょう。
そういう意味では、山から直という発想はありません。ますます工業製品化に進みます。それでも先人が植えた木が人の役に立つならばと思わずにはいられません。
一日も早く、試験段階からの脱却を望んでいます、ガンバレ!!
実はもう実際に動き始めているようです。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家
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昭和30年当時、日本の山には日本の復興を支えるほどの木はなかったのでしょう。
だから杭、柱は鉄鋼、軽金属、コンクリートでとなったのでしょうが・・・・・深読みはしません(笑)
それから50年、森林は成熟しました。だから使わなくちゃあとなりました。
言わせていただくならば、どれだけその気運が遅かったことか。口を大にして言ってきたつもりだけど。時遅しと言いたい!!(もう怒りの状態)
何年間前、公の席で木材需要拡大の意見をのべさせていただいたことがあった。住宅の地盤改良に木杭を使ってもらえば、凄い消費拡大になるはずだと。
そばで一級建築士の先生が小さな声で一言「シロアリが」とつぶやいたのを聞き逃しはしなかった。佐久でシロアリの認識がほとんどなかった頃である。
その後、10年保証の地盤補強の項目を見ていて、木杭では保険の対象とならないことを知る。
恥ずかしいの一言につきる。
何十年も木杭を作り続けていた身であってもだ。
木杭は水の中で使用すれば、腐ったりシロアリによる劣化はない。だから水気の多いところでは問題はない。
地球の温暖化か、家を取巻く環境が暖かくなってきたせいか、この佐久でもシロアリの害が確実に増えていると聞く。
今回の研究は飛島建設、早稲田大学、港湾空港技術研究所、北海道立総合研究機構林産試験場の共同である。
今回のレポートは研究の中から「地中における間伐材利用に関する」ものを取り上げているので、私もその中から簡単に。
杭とは自然木そのものという認識が普通だったが、まさしく工業製品化に行くようになるというのが、一番の感想かもしれない。
先ず丸太はロータリー加工という、昔の「かきかたえんぴつ」のように末も元も同じ太さにする。
水中に入らない部分には、木材保存剤で保護する、ただし高圧注入をしないで、薬剤の中に木を立てて入れ、木が乾燥する際の水分移動のしくみを使う、もしくは全部を浸漬する処理で。
面白いのは長い杭が必要な場合、今でも5・6・7・8m位は十分流通可能。かって港の埋め立ての場合など14m位まで十分供給できていた。運搬は大変ですが。
流通しているのは一般的に4m以下。それを2本つなげれば8mになるという原理です。
長尺のコストを下げるために、2本を鋼管塩ビ管でつなぐということ。ラグスクリューで固定するのだそうです。
2本続けて打てばいいではないですか、という発想はずっとあったのですが、お役所の仕様書にない方法は取り上げられませんからね。
木杭の強度性能なんて、研究されていなかったのかもしれません。木材の強度は乾燥した角材で実施されていたのですね。
今回打込んだ地盤の湿潤状態をもかんがみているようです。
最後に引用します。
「木杭打設が液状化や地盤流動化に及ぼす効果について、打設間隔を変えた場合や打設の深さを変えた場合の効果を、小型・中型の振動台実験や重力加速度の50倍の遠心力をかけた遠心載荷場での振動実験によって、飛島建設・早稲田大学が検証しました。
これらの実験は、杭を打設する条件とその効果とを各種装置を用いた実験により科学的に実証することを意図して実施したものです。
今回の検証により、木杭を打設した地盤では木杭を打設しない地盤に比べ、工作物の沈下が抑えられること、木杭の打設間隔を狭めるほど激しい揺れに対しても液状化しにくい地盤とすることができることが分かりました。
現在、これらのデータに基づき、木杭を用いた地盤対策の試験施工や実施工がはじまっている。
以上引用終わり。
あらためて木がよみがえるという感動もあります。しかし役所の工事の仕様書にうたってもらうには、パンフレットがあるものということになるでしょう。
そういう意味では、山から直という発想はありません。ますます工業製品化に進みます。それでも先人が植えた木が人の役に立つならばと思わずにはいられません。
一日も早く、試験段階からの脱却を望んでいます、ガンバレ!!
実はもう実際に動き始めているようです。
依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家
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