やっぱり解体へ、新築分譲マンション

2008年04月14日 | 住まいづくり
週末に「解体されるはずの新築マンション」の横を通ったら、しっかりと明かりが付いていた。施工した東武建設が買い取って、補強をして販売をするようだという憶測が流れていたから、「そのほうが安くは上がるんでしょうけれど、購入する人いるかしら」と噂しあっていた。

 このマンションは長野新幹線佐久平駅近くに2月に完成した鉄筋コンクリート地上11階、1部地下1階の50戸の「サンクレイドル佐久平」である。

 しかし翌朝の朝刊で「主筋も切断、4ケ所て゛」とセンセーショナルな見出しで、やはり解体との記事が載った。いままで誰が告発したのかが、最大の疑問であったが、やはり匿名のメールが県に届いたということのようだ。

 県によると、施工図では排気ダクトなどの貫通口を計230ケ所確保するはずだったが、8階を除く全階でコンクリート打設後に入れ忘れや位置のずれが計78ケ所あることがわかった。このため、後から直径10~26cmのコア抜きをし、50ケ所であばら筋(直径10~15mm)を、4ケ所で主筋(直径32mm)を切断していた。

 県によると、地階の工事を終えた昨年7月ごろ、貫通口の設置下請け業者から工事の不備の申告を受けた東武建設の現場代理人がコア抜きを指示。下請け業者は、その後8階を除く各階で貫通口を確保せず、コア抜きを繰り返したという。

 誰しもが、未熟な現場代理人を想像するところだが、東武建設によると、50歳代のベテランだという。

 ベテランってなんだということになる。工期が無かったからが言い訳になるのかな。もっとも昨年の姉歯事件で、許可が下りなかった物件ではない。

 一番怖いと思うのは、告発が無ければ、堂々と売り出されていたということである。もしかしてこれが常套手段で過去にも建てられていたとしたら・・・・佐久平のマンションブームにやっぱり水がさされたというのが、大方の見方だ。

 法律でどんなに縛ったとしても、やる人はやるんだと、悲しくも変に納得した報道であった。

                        依田 美恵子
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コメント
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