私のなべ四器(規矩準縄)

今、自分の周りで起きていること。ご近所のトマソンもそんなに、気にしてない。深めにかぶった帽子で、年内不定休営業中。

ひそひそ

2017-12-19 15:04:57 | Weblog
園子温監督の映画「ひそひそ星」を見た。
2015年公開。

白黒の何とも暖かく、懐かしい感じがするのは最初の方。
途中で見るのを止めようかと思いながらロケ地が出て来るまでと見続けているとだんだん嵌って行く不思議な感覚です。

この映画のロケ地は福島県双葉郡浪江町、富岡町、南相馬市。

そう、あの津波で壊滅状態に成った街が映画の中では滅びゆく人類が生きている星って設定で映し出されるのだ。

完全に崩壊している街を記録として残すのがこの映画なんだけど、一回目に見た時はぞっとした。
自分が見てきた福島は、もう少し人が居たからで、復興の工事が進んでいたのでした。


初老の男性(遠藤賢司)が自転車で走る道の両脇には打ち上げられた漁船が有り津波の猛威を物語って居ている。でも、自転車の遠藤は口笛を吹きながら走って居る。
そして廃墟がずっと映る。SF的な映像に遠い過去のようにも思える。

遠藤が主人公「鈴木洋子」を「ねえ、どっか飲みに行かない?」と誘う。
洋子は「帰り道にね」と返すと男性は「早めに来てね。俺死んじゃうからさ…。」と言い去って行く。

二回目に見た時にジーンとした。


遠藤賢司は2017年10月25日に死去している。胃がんだった。
ぼそぼそ唄う「カレーライス」が好きでした。
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