を観る。
演じるのは横浜緑ヶ丘高校の生徒さんたちで、演出を、万有引力、ク・ナウカとエリート・コースを進み、現在ルームルーデンス主宰の田辺久弥氏が担当するという、毎年恒例のエデュケーション・プログラムのひとつ。
高校生の演劇と聞くと、なぜかキャラメル・ボックスを連想してしまうが、せりふ主体の芝居よりも、アングラ芝居の方が若者には似合うな、と観ていて思った。若さ=極端さ=アングラという公式が成立するんじゃないかな。この芝居でいうと、舞台一杯に敷き詰められたビニールひもの切れ端がさまざまに変化して登場人物の情念を表現するところとか、4人のコロスの抽象的な動きとか、目に見えないものをあえて形にしようとする試みが刺激的だった。
あと、スタッフ・ワークの重要さも改めて認識させられた。役者は素人がやってもどうにかなる。むしろ素人の方がよく見える場合もあるかもしれない。でも、音響や照明は、やっぱりプロじゃないとね。
考えてみると、東京近辺の高校生は恵まれている。キャラメル・ボックスだけでなく、生の唐十郎や、J・A・シーザーの音楽や、毛皮族のレビューを観たり聴いたりできるではないか。そうだ、毛皮族の江本さんがエデュケーション・プログラムをやればいい!きっと、大センセーションを引き起こすだろうな。
この企画はずっと続いてほしいが、田辺氏はなかなかの男前なので、くれぐれも女子高生と間違いを起こさないようにして頂きたい。それだけが心配だ。