を、25年ぶりくらいに読む。ハンス・ケルゼン著。木鐸社。これも、実家にあったのをもらってきたにゃ。
「プラトンの正義論」。「彼の心は強烈きわまる情念に揺れ動き、そのエロスと結びついた抑えがたい権力意志・支配欲に充たされていたのである」。つまりプラトンは、美少年を意のままに調教したくてたまらなかったが、それをそのまま実行することができなかった。彼が住むアテナイは、ギリシア世界の中では同性愛に対する規制が厳しかったから。だから彼は、教育論や国家論の形で作品を発表し続けるしかなかったのだ、という。
クセノフォンがアテナイから追放されたのは、スパルタびいきが過ぎたからだといわれているが、もしかしたらライバルのプラトンと似たような事情があったのかもしれないにゃ。
「知性の根底には、意志がある」。ケルゼンもまた、ショーペンハウアーの流れをくむ哲学者の一人なのにゃ。