を読む。カート・セリグマン著。平凡社。
実家に帰った時に、もらったにゃ。こいつは初版本。今は6千円するにゃ。
30年ぶりくらいに読んだ。前はただ文字を追いかけるだけだったが、今はなんとか内容を把握することができるにゃ。古代メソポタミアから18世紀ヨーロッパまでの呪術の歴史。豊富な図版。楽しい本にゃ。中でもおもしろい記述は・・・・・・。
第2次大戦直後のフランスで起こった事件。ドイツ軍の兵士と関係をもった女性の髪を、人々がよってたかって刈り取った。これは古代の呪術のリバイバルなのだ、とセリグマンは言う。
髪は人間の生命が宿る座だ、と古代人は考えていた。フレイザーの「金枝篇」によると、古代ゲルマンの王などは、一生髪を切らなかったほどだ、という。
髪を切られるということは「死」を意味するが、切られた髪はまた生えてくる。つまり、「髪を刈り取る」という行為は、「一度死んで蘇るための儀式」(いわゆる死と再生のモチーフ)だった、らしいにゃ。