を聴く。
25分に凝縮された「しんとくまる」。疾走感溢れる「フー・マンチュー」。寺山修司本人が朗読する「人力飛行機」。おなじみの訥々としたしゃべり方と、バックの先鋭的なノイズの組み合わせがスリリングだ。
聴きどころが多いのはもちろんだが、クライマックスはディスク4の「シーザー地獄変」か。「母捨般若経」で、「シバサババテン・・・」とシーザーが歌い出す瞬間の、空気の異様さときたら。
ディスク5は「蘭妖子コンサート」。蘭さんもいいが、バックコーラスの3人が歌う「サムタイム・サラジェーン」がおもしろい。シーザーの作詞作曲だが、コテコテのジャズナンバーになっている。
シーザーは、歌だけじゃなく曲によってはギターやオルガンを弾いているはずだが、詳しくは表記されていないのが残念だ。「地獄変」には森岳史が参加していないというから、ギターはもしかしたら・・・・・・。またこのCDは、「J・A・シーザーの世界」に付いてきたライヴCDと比べたら、音質がかなりクリアーになっているが、その結果、ギター、オルガンに劣らず、フルートやサックスがかなりいい仕事をしていることがわかった。音全体に微妙な浮遊感を加えている。でも、奏者の表記が曲によっては抜けていて、これも残念。
ちなみにディスクユニオンの特典CDは、80年12月のライヴ。全7曲中4曲は、「シーザーの世界」の付録に入っていたもの、らしい。