と森永理科さんは音響監督から言われたという。
「シムーン」の公式ページのブログで、マミーナが死ぬ時、そう言われて演技した、と彼女自身が書いている。
変わった音響監督さんなのにゃ。唐十郎率いる状況劇場が活動を停止した時、森永さんはまだ7、8歳のはず。そんなことを言われても、驚くしかないのにゃ。
状況劇場の流れを汲む唐組や新宿梁山泊なら、私も何度か観たことがある。それで想像してみると、「状況劇場のように!」というのは、「文学的なセリフをテンション高く、はっきりと!」という意味ではないだろうか。だが、唐十郎は(寺山修司もそうだったが)、役者の個性に合わせてセリフを書いていたという。いわゆる「あて書き」というやつだ。「シムーン」の場合はどうなのだろうか。最初にセリフがあって、役者がそれに合わせて演技する、という通常の形ではないだろうか。芝居の前提が違う以上、「状況劇場のように!」、と言われても、役者は困るだけなのにゃ。
「シムーン」の声優陣には、演劇関係者が多い。アーエルが昴で、ネヴィリルとカイムが円。どちらも新劇系にゃ。そしてマミーナがアングラの月蝕。めずらしい組み合わせにゃ。音響監督さんもつい演劇づいてしまったのかもしれないにゃ。