これもまるで知らないひとだけれどジャケで魅かれて拾ってみた。ギターがリーダーでベースがお兄さんか、アコーデオンとサックスペット、それに弦チームも加わって面白そうな楽器構成、2008年のカナダのアルバムです。
カナダのプロジェクトはなんか訳があるようで、このギターのお父さんが1952年にカナダに写ってきたミュージシャンのようで、ルーツのイタリアシチリア地方のトラディショナルをアレンジしたアルバムのようです。
1曲目、良そうに反して出だし弦楽の現代音楽風アンサンブル、そうすると女性がスペイン風ヴォーカルで入ります。シチリアもスペインと海つながりか、オードとベース、ドラムスのインリズムになるとソプラノがエレバイオリンとからみあったりそのあとアコベの良い音のソロになったりかなり密度のこい内容です。
2曲目のアルトのソロはいまいち。
3曲目明るめの女性ヴォーカルはポップに近い感じで、ギターは一寸プログレの香りがします。インド映画のような一寸猥雑さがまじった曲はシチリアで有名な歌「しゃれこうべの歌」だそうです。
4曲目アコーデオンは明るいメロディにギターが絡んで、ドラムスがろっくだから途中はJAZZロックになるのが面白い。
5曲目はつぶした声の男性ヴォーカル、これは一寸がまんだけれど弦のアンサンブルは上手いし、ナイロン弦のギターも哀愁あっていい。
6曲目、ギターのリズムに枯れた男性ヴォーカルとベタなアルト、これはマカロニ・ウエスタンミュージック、クエンティン・タランティーンの「ジャンゴ」につけてもぴったりするような感じです。後半のペットのソロが上手い。
7曲目男性ヴォーカルのカンテから弦がはいってスペイン風哀愁曲、ドラムスがロックで後半ギターは完全なプログレなってカッコいい。
8曲目東欧風ダンス曲は曲名も“ The Ribbon Dancers”でギターは歌謡風哀愁バラッド。
最後は少しハバナの風が吹いている感じ。
すべてたぶんシチリアのトラディショナルをアレンジしたのでしょうが特にこっちはわからない。
民族音楽が混ざり合わさったような世界B級映画祭に紛れ込んだような、爛漫さや猥雑、お涙が混ざり合わさったようなアルバムになっています。
シチリアがルーツのカナダ
THE SICILIAN JAZZ PROJECT / MICHAEL OCCHIPINTI
1 The Almond Sorters
2 Ciuri cuiri
3 Vitti 'na crozza
4 Jolla
5 Nun ti lassu
6 Cantu ri li schuggiatura
7 The Sulphur Miner
8 The Ribbon Dancers
9 Nnuena
Michael Occhipinti: acoustic and electric guitars handclaps
Roberto Occhipinti: double bass and electric bass
Kevin Turcotte: trumpet (1, 2, 4, 6 - 9)
Louis Simao: accordion, pandero (1, 2, 4, 6 - 9)
Barry Romberg: drums, bells, shakers (1, 2, 4, 6 - 9)
Dominic Mancuso: vocals, handclaps (3, 5, 6, 7)
Maryem Hassan-Tollar: vocals (1, 3)
Hugh Marsh: electric violin (1, 3, 7)
Annalee Patipatanakoon: 1st violin (1, 5, 7)
Lynn Kuo: 2nd violin (1, 5, 7)
Kathleen Kajioka: viola (1, 5, 7)
Roman Borys: cello (1, 5, 7)
Rick Lazar: riq, dumbek, shekere, handclaps (1, 3, 7)
Levon Ichkhanian: oud (1).