ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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サマーソニック ベストアクト第1位!

2018-08-25 17:44:26 | フェス、イベント
もう御存知だとは思いますが、今年も行ってまいりました!ソニックマニアとサマーソニック。

という訳で、「ル−ツな日記」が選ぶ、ソニマニもサマソ二もひっくるめた今年のベストアクト5選。

今回はいきなり第1位です!! ちなみに、ノエル・ギャラガーとか、ベックとか、観ていませんのであしからず。



第1位 ジョージ・クリントン&パーラメント、ファンカデリック @BEACH STAGE (8月19日サマーソニック)

いやはや、まさかの1位です! と言ったら失礼ですけどね。そりゃジョージ・クリントンは楽しみにしていましたよ。ですが全盛期はとっくに過ぎていますし、まさかカマシ・ワシントンやチャンス・ザ・ラッパーの上を行くとは夢にも思っていませんでした。8月17日にソニックマニアでも観ているのですが、もちろん最高でしたよ!ですがその後にサマソニ2日間で旬なアーティスト達の素晴らしいステージをたくさん観ちゃいましたからね。そして最終日の最後を締めるジョージ・クリントン&パーラメント/ファンカデリック でしたが、まさか彼らがその上を行くとは考えもせずに、ビーチへと向かいました。しかしそこでミラクルが起きました。


2014年に33年振りとなるファンカデリックの新作「FIRST YA GOTTA SHAKE THE GATE」をリリースし、今年には37年半振りとなるパーラメント名義の新作「MEDICAID FRAUD DOGG」もリリース。さらにあのブレインフィーダーと契約するなど、70歳を超えて俄に活発に動き出したジョージ・クリントン。そんななか来年の5月でツアーからの引退を宣言したのには驚きましたが、それも含め、最後の盛り上がりを見せているP-FUNK軍団です。そしてもしかしたら日本で観れる最後のジョージ・クリントンのライヴになるかもしれない訳で、ベックやパラモアの裏でありながら、大勢の観客がビーチに集まりました。

いきなりパーラメントの新作から「 I'm Gon Make U Sick O'Me」で始まったステージ。ジョージ・クリントンも最初からステージ上を闊歩しダミ声で叫ぶ叫ぶ。そして観客達に声援を煽っては、満足そうな笑顔を見せて、なんか人懐っこい変人って感じで存在感抜群。衣装も最近の来日公演ではスーツで登場したなんて話も聞いていましたが、今回はなんだかよく分からないユニークな衣装を着てましたね。肩からポシェットが下がってるような? もちろんP−FUNKですから、その他のメンバーもキャラ立ちの濃い人ばかりで、ステージ上は早くもカオス状態。シンガーは何人居たかな?5〜6人は居たんじゃないでしょうか。出たり入ったりなので、はっきりした人数が掴めない程グチャグチャ。しかもシンガーじゃなくて、みんなほぼラッパーなんですけどね。ホーン隊が2人。ギターは3人。 ベース、ドラムス、キーボード。そして女性コーラスが3人。とにかく大所帯による大ファンク大会。

ヒップホップ meets パーラメントなラップが炸裂する「Mama Told Me」、女性コーラスの一人、Nakid87ことブランディ・スコットがセクシーな衣装で妖艶に歌った「Meow Meow」、グレッグ・トーマスの長尺サックス・ソロに沸きに沸いた「Ain't That Funkin' Kinda Hard on You?」、ラッパー達が大暴れだったハード・ファンク「Get Low」、などなど。序盤は、パーラメントとファンカデリック、両バンドの最新作からの曲を連発してました。正直、昔の代表曲のオンパレード、いわゆる懐メロ大会になるのでは?と思ったりしていましたが、まさか新作からの曲をこんなにやるとは驚きました。まさに現役バンドですね。とにかく序盤からハイテンションでドロドロでした。

3人居るギタリストの一人は、ドウェイン・"ブラックバード"・マックナイトで、彼が随所でソロを弾きまくる。あとギャレット・シャイダー もいたのかな? ベースはお馴染みライジ・カリー、彼のブリブリな低音ラインがサウンドの8割方を支配している。それぐらい音が大きくて強力でした。ファンキー且つウニョウニョなキーボードはダニエル・ベッドロジアンかな?立派な口ひげを蓄えてました。

そしてステージ中盤、「Flash Light」のイントロが鳴り、お馴染みのガウンを羽織ったサー・ノーズが、長い鼻を揺らしながら現れると、観客達は大騒ぎ。ついに70年代の名曲の登場に、フィールドもステージもギアが一段上がる。サー・ノーズのファンキーなダンスが格好良い!! さあ、いよいよ本格的にP-FUNKらしくなってきましたよ! 続く 「(Not Just) Knee Deep」では、P印の気持ち悪いコーラスにウニョウニョなキーボードが絡む。そして先程サックス・ソロを吹きまくったグレッグ・トーマスが再び前へ出て、今度はスキャットを披露。しかもこれがまた長い!独特な愛嬌のある妙なスキャットを延々と垂れ流す、そのダラダラした感じがいかにもP-FUNKで最高でしたね!最後はめちゃくちゃ格好良いホーン・フレーズを派手に決めて終了。そして一瞬の静寂の直後、夜のビーチに響く悲しげなギター・アルペジオ!



長々と書き綴って参りましたが、 いよいよミラクルの時間です!


そのゆっくりとしたアルペジオ、一瞬我が耳を疑いましたよ!だってソニックマニアではやらなかったんですから。そうです。「Maggot Brain」です! これ、およそ10分に渡ってひたすら泣きのギターソロが延々と続く鬼曲。私が1番好きな曲で、一番聴きたかった曲!! もちろんファンならみんな好きですよね。そのイントロだけで観客からは大声援。そしてステージ中央に一人佇むドウェイン・"ブラックバード"・マックナイトが渾身のスクイーズを決めると更なる大歓声が!! そしてブラックバード大先生のギターがむせび泣く。いや〜、もう鳥肌ものでしたよ、このブラックバードのギター!! しかもその咽び泣きが佳境に差し掛かる頃、背後からドドーン!!ってまさかの花火ですよ! こんなタイミングあります!?私を含めた観客達はパニックを起こしたかのように盛り上がる! やんややんやの大歓声! 正面ではブラックバードのギターが泣きに泣き、後ろを振り返れば花火がドドーン!!ですから。そして横を見渡せば限りなく続く真っ黒な海。こんなシチュエーションの「Maggot Brain」、ヤバいでしょ!! とにかくブラックバードのギターが凄まじい。まるで次々に上がる花火に呼応するかのようにさらに狂おしく泣き咽ぶ。その迫力たるやまるで全てを支配するかのようでしたね。これぞファンカデリックのサイケ感!!

いやはや、「Maggot Brain」と夜空を焦がす花火の響宴。まさにフェスのミラクルでしたね。歴史に残る名演でしょう!!そうそう、歴史と言えば、かのレキシの池ちゃんがこの日「今日は今までで一番のマゴットブレインが観れました。」ってツイートしてましたっけ。私にとっても一生ものの「Maggot Brain」でした。

もちろんこれで終わりではありません。私なんて「Maggot Brain」が終わって放心状態でしたけど、ここから真のP-FUNKですよ!大名曲「Give Up the Funk」からの「Atomic Dog」。 さらに「Dirty Queen」を畳み掛ける。終わりが見えないファンクの響宴。最後はダメ押しの元祖ヘヴィー・ファンク・ロック「Alice in My Fantasies」。

いやはや、凄いステージでした。延々と続くファンク・グルーヴ。随所で弾きまくるブラックバード。可愛くも怪しいエロ香を散蒔くNakid87、積み上げられたアンプによじ上って倒立するなどやりたい放題のサー・ノーズ、入り乱れるラッパー達、そしてその先頭に立って最後までダミ声で叫び、歌い、ポーズを決め、観客達を煽り続けたジョージ・クリントン。もの凄いパワーでしたね。ライヴ活動引退なんて言わないで欲しいですね〜。


鳴り止まない歓声と拍手、メンバーがステージを去っていく中、最後にNakid87がマイクの前に立ち、「月に変わってお仕置きよ」と可愛く決めて幕。


いや〜、とんでもないものを観た! やっぱりファンクって最高だな!!



この日のセットリストはこんな感じだったようです。

01. I'm Gon Make U Sick O'Me
02. My Mama Told Me
03. Pole Power
04. Meow Meow
05. Get Low
06. Ain't That Funkin' Kinda Hard on You?
07. Flash Light
08. (Not Just) Knee Deep
09. Maggot Brain
10. Give Up the Funk
11. Atomic Dog
12. Dirty Queen
13. Alice in My Fantasies



さて、一応ソニックマニアのジョージ・クリントンについても少し書いておきますね。サマーソニックのビーチでは、前の方ではないけど、後ろの方でもない、中ぐらいの位置でじっくり観ていたんですけど、それに先駆けるソニマニでは、頑張ってほぼ中央の前から2列目で観戦いたしました。セットリストは、誰かがネットに掲げてくれるだろうと、特にメモも取らなかったんですが、サマソニのセトリは見つけたものの、ソニマニは何処にも無いんですよね…。なので私の記憶を頼りに、明らかに違った点など、印象的だったことだけ。

「I'm Gon Make U Sick O'Me」で始まったソニマニのジョージ・クリントン。概ねの流れはサマソニと似たような感じだったと思います。違いと言えば、序盤の流れの中で「Up For The Down Stroke」をやりましたね。あとスロー・ヒップホップ的な「Backwoods」とか。そこそこ長い曲ですけどディープで良かったです。「Maggot Brain」をやらない代わりにこれをやったのかな?とか思ったり。「 (Not Just) Knee Deep」はやりましたけど、グレッグ・トーマスのスキャットは無かったですね。あと、多分最後は「Atomic Dog」で終わったんじゃないかな?それなりに引っ張ってはいたでしょうけど、「Dirty Queen」や「Alice in My Fantasies」はやってないような…。ちょっとよく覚えていなくてすいません…。

そして大きな違いと言えば、Nakid87が居ませんでした。だから「Meow Meow」も無し。でもどうしたんでしょう?体調の問題か、スケジュールの都合で間に合わなかったのか?サマソニであれだけ目立っていた彼女が居ないとステージの印象は大分違いますけど、それでも変人ばかりのステージであることには変わりありませんでしたけどね。流石に前から2列目で観ていると、各キャラもよく見えて楽しかったです。大柄なギタリストさんがいらして、頭をブンブン振り回しながらギターを弾くんですけど、この人、最初はスカートみたいなのを履いていて、でもいつの間にかそれを脱いで蛍光色のパンツ姿で暴れていたり。間近で観るP−FUNK軍団は、全盛期には及ばないでしょうけれど、それでもかなりの異世界でした。

盛り上がったのはやっぱり「Flash Light」。それまでは最前列付近とは言え落ち着いて観ていられたんですけど、「Flash Light」のイントロが鳴った瞬間から、後方の観客達が特大の歓声と共に押し寄せてきて、あっという間におしくらまんじゅう状態になりました。そこからラストまでステージもフロアもカオスでしたね。ラッパー達が次から次へと降りてくるんですよ。それぞれが柵によじ上って煽るもんですから、その都度、柵付近は阿鼻叫喚のグチャグチャに。まあ、色んな意味でディープでしたね。


まあ、何はともあれ、今年のソニマニ&サマソニは、ビーチで体験した「Maggot Brain」ですよ!あれが全てをひっくり返しました。



第2位からもお楽しみに!!