ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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エディ・チャンク・ウィリスを偲んで

2018-08-22 20:19:46 | ソウル、ファンク
60年代、モータウンの数々のヒット曲を支えたハウス・バンド、ファンク・ブラザーズのギタリスとして活躍したエディ・“チャンク”・ウィリス(Eddie “Chank” Willis)が、8月20日、米ミシシッピ州ゴアスプリングスの自宅で亡くなられたそうです。享年82歳。

1936年6月3日ミシシッピ州グレナダに生まれのエディー・ウィリス。彼がモータウンに入ったのは1959年だそう。まだモータウンの原型が出来たかかどうかの頃、その最初のスターと言われるマーヴ・ジョンソンというシンガーがおりまして、エディー・ウィリスはそのマーヴ・ジョンソンのバックもやっていたらしいので、ほぼ最古参の一人と言って良いでしょう。その後、ファンク・ブラザーズの一員として数多のヒット曲の録音に携わりました。ですがファンク・ブラザーズには他にもジョー・メッシーナやロバート・ホワイトといった主力ギタリストがおりまして、実際にどのヒット曲のどこを誰が弾いているのか確定するのはかなり困難だったりするんです。


The Marvelettes - Please Mr. Postman (1961)

エディー・ウィリスがギターを弾いた代表曲の1曲としてあげられるのが、マーヴェレッツの「Please Mr. Postman」(1961)。モータウン初の全米第1位となり、躍進の先駆けとなった曲。WIKIによれば、参加ギタリストはエディー・ウィリスの一人だけのようなので、ミュート気味のトロピカルな感じのギターが彼なのでしょう。ドラムをマーヴィン・ゲイが叩いていることでも知られる曲ですね。


The Temptations - The Way You Do The Things You Do

テンプテイションズの初ヒットとなる「The Way You Do The Things You Do」(1964)。こちらもエディー・ウィリスがプレイした代表的な1曲。歯切れの良いリズム・ギターが最高です。このカッティングのチャカっとしたキレと音色がエディー・ウィリスの持ち味と言ってよいでしょうか? 何せ、エディー・チャンク・ウィリスと呼ばれる、ニックネームの”チャンク”は、彼のバックビートが強烈なリズムギターが、チャンク!チャンク!と聴こえることから付いたそうですから。


The Supremes-You Keep Me Hangin' On

スプリームスの「You Keep Me Hangin' On」(1966)の印象的なギター・リフは、モールス信号をヒントに作られたそうですが、これを弾いているのはロバート・ホワイト。ですがALLMUSICのバイオによりますと、ロバート・ホワイトが高音で、エディー・ウィリスが低音を弾いたと。つまりこのリフはロバート・ホワイトとエディ・ウィリスによるツイン・ギターだったってことですか?良く聴くと、確かに低音も聴こえます。YouTubeには、この曲の歌の無いトラックもあるのですが、それを聴くともっと良く2本のギターが鳴っているのが分ります。→The Funk Brothers - You Keep Me Hangin' On 


Stevie Wonder - I Was Made To Love Her

このスティーヴィー・ワンダーの名曲「I Was Made to Love Her」(1967)で印象的なキラキラした音色のリフはエディー・ウィリスによるエレクトリック・シタールらしい。ですがその一方で、この曲のサイド・ギターを担当したのがエディ・ウィリスだという文献もあり、よく分かりません。結局全部彼が弾いてるのかな〜?


Gladys Knight & The Pips - Friendship Train

グラディス・ナイト&ザ・ピップスの「Friendship Train」(1969)もエディー・ウィリスの代表プレイに挙げられる曲のようですが、まさか冒頭の派手なワウギターではないでしょう。それはデニス・コフィー辺り。と言うことは、超ファンキーなリズム・ギターがエディ・ウィリスと言うことになりますが、これ、めちゃくちゃ格好良いですよね!!



70年代後半にはモータウンを離れているようでしたが、それ以降も各所で活躍し、アルバート・キング、ウィリアム・ベル、ボビー・ウーマック、ジョニー・テイラーなど、意外なところにも、彼の名前を見つけることが出来ます。

最近では、もちろん2004年のファンク・ブラザーズの映画「永遠のモータウン」にも出演されていましたし、2010年にフィル・コリンズがリリースした、モータウンのトリビュート作品にも参加されていました。



エディー・チャンク・ウィリスさん、安らかに。