ルーツな日記

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フジロック・ベストアクト第1位!!

2012-01-22 23:06:58 | フジロック
KASAI AIISTARS / KASAI AIISTARS

さて、1月も下旬にさしかかった今日この頃、半年前に開催されたフジロックの素晴らしい3日間も記憶の彼方になりつつありますが、そんな時分に我がブログの超個人的フジロック・ベストアクト企画はようやく第1位の発表にこぎ着けました。

という訳で、2011年、フジロック・ベストアクト、栄えある第1位は~~~、コンゴトロニクス VS ロッカーズ!!!!!!!

2日目、土曜オレンジ・コートのトリを務めたコンゴトロニクス VS ロッカーズ。同じ時間帯、メインのグリーン・ステージではロン・ウッド率いるフェイセスが熱演を繰り広げていました。いや~、迷いましたよ、どちらを見るか。仮にフェイセスを観ていたとしたら、それは間違いなくベストアクトとなっていたことでしょう。ですが私はコンゴを選び、コンゴがベストアクトな訳です。土曜のトリとは、そういう時間帯なのです。

さて、この日の夜、私はオレンジ・コートでマーク・リボーを堪能し、空き時間の約1時間はヘヴンでワイド・スプレッドパニックを観ながら腹ごしらえ。頃合いを見計らってオレンジに戻る。いよいよコンゴトロニクス VS ロッカーズ。正直、トリの時間帯に得体の知れないアフリカン・アーティストで、ちゃんとお客さん集まるのかな~と少々心配だったのですが、これが凄い人! コンゴトロニクスってこんなに人気あるの~!?とビックリするぐらい、広いオレンジー・コートが観客で埋め尽くされていました。凄いですよね~。このプロジェクトによる音源は発売されてない状況ですよ。もちろん日本での初ライヴとなるこのステージです。それだけ注目度が高いということでしょうし、これに注目する人が沢山いるという、そんなフジロック。もう大好き! やっぱこっちに来て良かった!と思いましたよ。

笛(おそらくアフリカ土着のもの)を吹きながらメンバーが登場。とにかく大所帯。アフリカはコンゴ民主共和国からコノノNO.1とカサイ・オールスターズの選抜メンバー。ベルギーの精鋭レーベル、クラムドディスクにより発掘されコンゴ旋風を巻き起こした2大グループで、彼等こそコンゴトロニクス。そして彼等と相対するロッカーズ勢は、ディアフーフ、フアナ・モリーナ、ワイルドバーズ&ピースドラムス、そしてスケルトンズのマット・メーラン。さらにこのプロジェクトの仕掛人でもあるクラムドディスクのプロデューサー、ヴィンセント・ケニスがベーシストとして加わっている。総勢20名程。

最初は、どこに誰が居るのか把握するだけでも大変でした。フアナがいる、サトミがいる、グレッグがいる、マリアムは? マットは何所だ? そして彼等を取り巻くように異様な雰囲気のコンゴ勢。フロントには異様な形をした大きな太鼓?のようなものを叩きながら歌う男性が、この人は股間の当たりに小動物の死骸のようなものを付けてる。そしてふっくらとした身体で官能的に腰を振りながら歌い踊る女性。さらに長老のような雰囲気で一種独特の雰囲気を放つ小柄な男性。この3人はおそらくカサイのメンバーで、アフリカ土着の臭いをプンプン漂わしてました。さらにおそらくコノノの一団と思われる人達が爆音の電化リケンベをビリビリ言わしてる。アフリカって凄い!とか思っているうちにリズムはどんどんディープになっていく。

とにかくこのリズムが凄い! 何せ打楽器系がズラーっと並んでますからね。コノノ&カサイそれぞれのパーカッション群に加え、ディアフーフのグレッグ・ソーニア(ds)、ワイルドバーズ&ピースドラムスのアンドレアス(ds)、さらに電化リケンベのポリリズミックな重なりはパーカッション的ですし、巨大な木琴のようなものを叩いてる人もいる。それら打楽器群の織りなすリズムの躍動感たるや! まるで大地から湧き出るかのような、いや大地そのものが揺れてるような感じ。とにかく跳ねる、跳ねる! やはり恐るべきアフリカン・グルーヴ。そしてグレッグが凄い。そのアフリカン・グルーヴに切れ込む勢いでビートを刻む。アフリカもロックも渾然一体となりながら、あり得ないグルーヴが生み出されていく。そんな奇跡のグルーヴをフジロックという特別な環境で体感する喜び。まさに祝祭空間。

観客もリズムに突き上げられるが如くに踊りまくる。もちろん私も踊りまくる。2日目の夜という疲れも忘れる程に。そんな観客を前にしてステージ上のメンバー達もとにかく楽しそう。プロジェクト名に“VS”と付いていますが、もちろん対決する訳ではありません。なんて言うか、既にファミリーな感じ。コンゴ勢もロッカーズ勢も入り乱れて祝祭感を満喫しているよう。ですが音楽的にはそもそも相容れないアフリカ土着とオルタナ・ロックです。しかしそれがステージ上で見事な融和を成し遂げている。感動的ですらありましたね。

例えばフアナ・モリーナが歌うバックでスケルトンズのマット・メーランがギター・ノイズをギャンギャン鳴らす。それだけでも『オー!』って感じですが、そのリズムはアフリカ仕様ですからね。ワイルドバーズ&ピースドラムスのマリアムは元々からして何かに取り憑かれたようなエギゾチックな歌を歌う女性ですから、アフリカ土着との相性は抜群。それに対して、ディアフーフの紅一点サトミ嬢の歌っていうのはどうにもならない程東洋的と言うか日本的。でもこれが良かった! ディアフーフの「Super Duper Rescue Heads !」を演ったんですが、緩いアフリカンリズムに乗ってサビのメロディーを歌うサトミの歌声は何とも言えない癒しがありましたね。そしてコンゴ勢がコーラスに加わると一気にアフリカ色が増すという。そしてステージ上のメンバーがみんな幸せそうで。この曲は名場面でしたよ!

ですがメインはやはりコンゴ勢主導の曲。カサイ・オールスターズによる土着な民族臭を爆発させたような曲や、神聖な儀式を思わせるような静かな曲もありました。特にカサイのフロント3人のパフォーマンスって言うのは凄いものがありましたね。これぞアフリカ!!って感じで。そして何と言ってもコノノNO.1による電化リケンベの爆音が乱れ飛ぶ人力トランスでしょう。私はこれを生で体感するのを楽しみにしていたんです。特徴的なイントロからリズムの洪水へ雪崩れ込み、そして果てることの無い無限ループ地獄へ。ディープ過ぎる~。

この日本公演は、コンゴトロニクス VS ロッカーズのワールド・ツアー最終の地でした。この後、最後の渋谷クアトロ公演が控えてはいましたが、ディアフーフを含むフル・メンバーでの公演はこのフジが最後。終盤はコノノ勢を中心にした人力トランスがまるで終演を惜しむようかのように果てしなく続く。ループを重ねる程に昂揚感を増していき、メンバー達のテンションも上がる一方。フアナ・モリーナは何やら奇声を発するように叫びまくってるし、カサイの長老的なおじさまはエア・バイクにまたがってどっか行っちゃうし、もう訳分からないお祭状況。観客達も一線を越えたかのようにはしゃぎまくり、踊りまくってる。あ~、このまま終わらないで欲しい~~!

まさにこれぞフジロック!! ホント最高でした!



さて、これで我がブログの2011年度フジロック企画もおしまいです。いかがでしたか? 長々とお付き合いいただきましてありがとうございました!

そして、もう、今年のフジロックは始まっています!!





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