アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

NINAGAWA十二夜

2005年07月19日 | 歌舞伎
2005年7月 歌舞伎座

オープニングから、もー普通の歌舞伎じゃぁないでしょー。
何が飛び出てくるのでしょー。

恋するあまりため息ばかりの左大臣。
OH!!「ああ」で始まるのか!シェイクスピアだ!小田島雄志だー。
信二郎、お鬚をつけたイイ男なり。

織笛姫の叔父と陽の高いうちから酒びたり。
その人の名は腰元:麻阿(まあ)
気怠げに食べ物を口に入れ、大きな欠伸をし、手酌で酒を飲む。

か、か、亀治郎に溺れたぁぁぁぁ!!
年季入ってどっしり構える腰元。そんな役!亀ちゃんイイゾっっ。

そのふてぶてしさは、単なる前奏なのでありました~。フッフッフッ。
この後、スッゴかったよぉぉぉ。
市川亀治郎って、やっぱり要チェック俳優!!!

織笛姫の婿になりたい男、安藤英竹(あんどうえいちく) は松緑っ!
『彦一ばなし』の時も、上手く笑いを取ってたけど、今回はメガヒット!!

阿呆な金持ちなんですっ。
でもこの役、こんな道化キャラでいいの???
きちんと演劇で観たことがないので教えて欲しい~。
叫びながら本屋に走って、俄か勉強。やっぱり頭が緩~い金持ちだ。

え、ちょっと!道化は他にいるんです!
正真正銘は、菊五郎が演じる捨助(すてすけ)
でもね、 松緑のキャラと”阿呆繋がり”で被ってる。
ように見えたんだけど…。

菊五郎2役めは織笛姫の執事・丸尾坊太夫(まるおぼうだゆう)
”高慢ちき”なんでしょ、この役。そんな執事にはみえないなぁ。
だからこそ使用人からは嫌われていて、
こっぴどく叱りつけた麻阿達に恨まれる。
ここポイントなんだけど、ちょっと…。

“坊太夫をとっちめろ!大作戦”
悪ふざけ軍団のリーダーは、亀治郎!
中庭に、偽ラブレターを置いて餌をまく。
向月台(銀閣寺にありますヨ)を隠れ蓑にして、カモが葱背負うのを楽しむわけ。

手紙を読む坊太夫の長セリフ!
亀ちゃん、あっちから覗いて、こっちに走って、
みつかりそうになって尻餅ついて、ちょこまかちょこまか、ホント楽しそう!
作りこんでますヨ!!こっちもメガヒット間違いなしだ!!

姫との恋が実ったと思い込んでルンルンの坊太夫~
手紙の支持どおり、全身、黄色~黄色~。
微笑みをたたえて、黄色の下帯までペロ~ン。織笛姫の周りをチョロチョロ。

ここ、「作中で最も笑いを呼ぶ場面」とありますが、
ドッカン!ドッカ~ン!じゃなかったんだなぁ。

鼻持ちなら無い人間がピエロになるから可笑しいんでしょー。
ムカつく上司への憂さ晴らし。でしょ。
でも、本物のいじめにも見えちゃう…。
最初から、坊太夫が“超のつくえらそーな奴”に見えなかったから、
いたぶられる理由付けが、今イチになったんだと思う。
興をそがれちゃっちゃぁお終いよぉ。
え~!それって私だけ~?

そんな時は、素敵なBGMと照明&セットを堪能しよー!!
歌舞伎に慣れてしまった目には、”現代演劇もの”が新鮮っっ。
こんなに美しいセットを組んでくれるとは…。VIVA!金井勇一郎。

ミラー越しに、俳優を見るのも御一興。
人物の前も後ろも。裏も表も見えちゃって、人間真理を突いてるわけですね。

格調高くて美しい時代物。なのに、
なんだか、巨大なジグソーパズルの1PCSを無くしちゃったみたいな…。
モヤモヤが残ってしまった。残念無念…。

きっと地方公演もすることでしょう。
大阪人は熱望していますっ!待ってますっ!是非!

あと、“俳優祭”で『十三夜』とかいって、
おもいっきりパロって欲しいっす。是非に~。(^o^)丿

(12日所見)


☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
児雷也の記事から飛んできました (ぴかちゅう)
2005-12-05 22:11:54
そしてこちらにもTBさせていただきました。よろしくですm(_ _)m

「俳優祭」も一度行ってみたいです。でもチケットがなかなかとれない~(T-T)
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発見♪ (midori)
2005-12-06 10:10:44
見逃してました!

アップされてたんですね。

(^^;

早速、トラバさせていただきました♪

オープニングから度肝を抜かれて、でも私、ほとんど違和感は感じませんでした。

だって、美しくて楽しくて切なくてワクワクする、要は素敵な舞台だったんですもの。

因みに、歌舞伎に疎い私は、この作品で“時蔵”サマに射抜かれました。

(*ーー*)

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あんまり覚えてない… (古典めざましタイ)
2005-12-06 13:54:40
ぴかちゅう様、midori様

ここまで飛んできてくれて有難うございました!

菊五郎が蜷川を出してきた時、勘三郎が連れて来た過去のどんな演出家より、”有名人”で、やるなぁ音羽屋!って思ったのでした。

「世界のNINAGAWA」だからねぇ。

やる事も桁違いでしたねぇ。

でももっと高い精度の歌舞伎、創って欲しいと思う。

時間を掛けて、じっくり膝つきあわせて、もう1本上演して欲しい。

なんといっても「四谷怪談」を歌舞伎セリフのまんま、普通の演劇人で上演しちゃったくらいなんだから。

才能を出し惜しみするなっ!蜷川っ!
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トラバありがとうございます! (midori)
2005-12-07 10:29:31
>時間を掛けて、じっくり膝つきあわせて、もう1本上演して欲しい。



あの短い稽古期間で、あそこまで仕上げてくるNINAGAWA&音羽屋さん達ですから、叶うのであればゼヒそうして実現してほしいと私も期待しています!

でも又、チケット取り大変そうですよね。

(><)

(って、つい下世話な話しで、すみません)(汗)
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