アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

前進座 謎帯一寸徳兵衛

2006年05月23日 | 歌舞伎



5月 国立劇場    14(日) 

謎帯一寸徳兵衛(なぞのおびちょっととくべえ)

前進座!ナマ観っ初体験~
お客さん!圧倒的に中高年!
でも、男性がたっくさんたっくさんいるゾー!
この雰囲気!どっかで…NewOSKだっっっ!!

何十年もズ~ッと劇団のファン。
”見守り続けたきた”っていう、その落ち着きは愛の深さを物語るー。

前進座創立75周年!
NewOSKと同じように、
山あり谷あり海あり沼あり…。そこに歴史あり!
う~む、このリラックスした温かい空気。
歌舞伎座では味わえ~ん


序幕
道具屋の坊・三吉(嵐広也)は、女郎に入れ込んで、

 嵐広也 大河ドラマ『功名が辻』出演!
       福島正則役 7月9日から(予定)

金になる香炉を家から盗んできたらしい。
団七(嵐圭史)に何十両かで売りつけるはずだったのに、
たった3両で巻き上げられちった。

通り掛かったのが義平次(藤川矢之輔
このジジィ!マジいやらしい顔~悪人面~

団七「香炉をやるから娘のお辰河原崎國太郎を嫁にくれ~」
アララ、
団七、今度は義平次に香炉を掻っ攫われた。
挙句の果てに
「お辰は徳兵衛中村梅雀のとこにやったよ」
そんなバナナ~。いやバカな~。

イライラしてたら旧主が娘のお梶(河原崎國太郎・2役)とやって来た。
これがお辰にソックリさん!
団七の頭はグルグル回転~!悪事を巡らす~。

どっかで聞いた事ある登場人物の名前ばっかだよね。
それもそのはず、
正真正銘『夏祭浪花鑑』の書替!
大坂から江戸へ来ちゃいました。
by鶴屋南北っっっ!!
&ノンフィクションの殺人事件をシェイクすると…

闇夜にまかせて旧主をメッタ斬り~!
千寿院の宝刀を横取り~!
ついでに
共犯者の浪人者も殺して川にドッポ~ン。

浪人の片袖を旧主の手に握らせる…。
その手は胴体から切り離されてるっ!
つ~の!南北だろ~!!怖いよね~

「仇を討ってやるゼ!」 
お前が犯人だろ~が!
まんまとお梶を騙して、夫婦になっちった。

しかも、血なまぐさい~殺人現場で~。
『四谷怪談』のもとネタ~。怖い~

ク~~~ッッッ
TVで舞台中継を見た時から思ってたんだ。

前進座ってポップでシャープ
だからテンポ速いよー。リズム良いよー。
そ~なると、南北作品ってめっサ、リ・ア・ル!
江戸時代の歌舞伎って、こんな感じだったんじゃぁ?


休憩をはさんで『口上』っ!
幕の前に鎮座しますは、中村梅之助~!!

75年の歴史と新たな決意に、
場内大大大大拍手~!!!
国立劇場公演は23年も続いてるんだって!

四代目中村梅之助 成駒屋
1930年生まれ
父は三代目中村翫右衛門
長男は中村梅雀
TV『遠山の金さん捕物帳』で超人気者に!
「これにて一件落着」ってやつネ。
『伝七捕物帳』(1973年)の
「ヨヨヨイ、ヨヨヨイ、ヨヨヨイヨイ、めでてえな!」
私の周りの人は、この台詞すぐ出てきます 


二幕目
話はつづくよ。
お梶は病弱で今日も蚊帳の中…。
継娘のお市の甲斐甲斐しいこと。
でも団七は、蚊帳を呑み代にしようとしている。

団七は敵討ちに興味ないみたいヨ。
ええ!やっぱ『四谷怪談』じゃん~。

「騙りだ!香炉返せ~」三吉が怒鳴りこんできた。
「家の物でも盗んだら罪人だ!出るとこへ出ようか!」

偶然やってきた義平次の方が役者が一枚上手だ~。
アワワワ~退散する三吉。
雪駄の片方履き間違えてるぞ!それ、義平次の!

義平次は「貸した金返せ!団七」
「金の変わりに女房・お梶を持っていけ!」
シェェェェェ!なんちゅうやっちゃ~抹茶に紅茶~。

「敵討ちができないからイヤ!」
お梶の一言に熱っ熱っの鉄弓が!

お市・お梶・団七が揉み合って「ギャ~~!!!」
お梶の顔にっっっ!!

もとネタ知ってるとますます面白いィ
「傷ものはいらん!娘を貰って行くぜい」と義平次。
なななんちゅうやっちゃ~抹茶に紅茶~。

ゴロゴロピカ~!!!激しい雷雨。
本水がバシャバシャバシャー!!

遂に団七の悪事を知ってしまったお梶の運命は…。
「亭主が女房を返り討ちとは珍しい」
グサッグサッグサササッッッ。
憐れお梶は井戸の中…。

現場近くを通りかかったのが、徳兵衛とお辰。
おっ”信濃のコロンボ”(ちがうちがう
拾ったものは、血染めの片袖と三吉の雪駄…。

大詰
徳兵衛とお辰の家にお市はいた!
三吉はこの家に隠れてた。
義平次がやって来た。
団七もやって来た。
点と点が集まり始めてる…。

団七は、現場に落ちてた三吉の雪駄を証拠に、
自分の殺人を隠蔽する計画。

義平次は「人殺しの三吉を匿っているな」
お辰に詰め寄る~。
ケンケンガクガクやってる所へ老婆が…

なななんと!彼女こそ義平次の妻っっ!
夫は14年前に失踪!

お辰は義平次が、かどわかしたんだと!
ホントの娘じゃないじゃ~ん!

グエ~ッッッ!信じられない~いヨ。
婆の怒りっっ!!
アチョチョチョチョチョー(お前はもう死んでいる

婆!怨念込めて取っ組み合いの喧嘩始める!
いやぁぁ、ガッハッハッハ~腹抱えた~

爺&婆が消えた後に、残ったものは”香炉”。
三吉喜ぶ~。
こいつ、自分では何にもしてねぇの!

さあ~敵討ちでぃ!団七っ、いざ覚悟~!
ラストは土手で大立ち回りっっ!!

ワァァァァ!!
所かわれば中身変わるのね。
歌舞伎座とはじぇんじぇん違う~、こりゃまた楽しい~
”ぜん志んざ”と書かれた傘がクルクル回って。

スピーディーな展開に、のめり込んじゃった~。
南北のグロテスクさ。闇。人情。
物語の中に役者が染まって、ストーリーがクッキリ浮かぶ。
だから判り易いー!こりゃイイやー!
プログラムには場面ごとに道具帳が!
なんて親切ー!こりゃイイやー!


『魚屋宗五郎』
梅之助や他の俳優達が手中に収めた演技に
ファンの惜しみない拍手~!


はじめて前進座を訪れたときのことはよく覚えている。
広い食堂で大勢の座員と家族たちが賑やかに朝御飯を食べていて、
中には映画や舞台で見ている有名なスターがいてこれから登校するであろう
子供さんと語り合ったりしていた。
ああ、これが前進座なのだ、この人たちがこうやって集団生活をしながら
あの見事な舞台を作り出しているのだ。 山田洋次 (パンフより)

さっぱりと。でも、しっかりと。
ハンドメイドの温もりがあるのに、骨太!
職人が一つ一つ積み上げるレンガのように、丁寧!
これが前進座っ。ハマったゼ!!

前進座公演予定
 「たいこどんどん」
    9/6~22 三越劇場
    9/26~10/9 前進座劇場
 「おれの足音」
    11/3~5 名古屋市民会館大ホール
 「五重塔」「口上」「魚屋宗五郎」
    2007年1/3~25 京都南座
         詳しくは → 
前進座HP

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