アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

天守物語 1999

2006年05月09日 | 歌舞伎


ゴールデンウィークで、電子情報のない生活してたら、完全出遅れ~

7月歌舞伎座の演目がー!!!キェェェェェ~
き、き、来た~!!『天守物語』再びー
き、き、来た~!!玉三郎海老蔵カップル、再びー
亀姫は誰じゃー。
グウォォォ~!春猿~。
菊之助も妖しかったけど、春猿もやってくれるかの~。
嗚呼、『天守物語』と出逢ったあの日に、プレイバック…


1999年 3月 歌舞伎座


”泉鏡花を体現する”
それは、たとえ骨格(戯曲)が揺るぎないものであっても、
肉付け(上演)するのはスーパーE難度!!

 播州姫路
 誰もよりつかぬ白鷺城の天守閣に住む富姫。
 猪苗代から来た妹の亀姫と手毬で遊んだ日の夜。
 図書之助という若侍が、鷹を探しにやってきた…。


歌舞伎座の舞台空間を、ここまで変えられるこの作品はいったい!?
“晩秋、日没前より深更にいたる“
その暗転の、廻り舞台の、スッポンの、使い方たるやいやはや驚き。
なるほど、あそこから昇ってくると、まさに舞台は”お天守”なのでありました。

 天守の五重。正面には大きな獅子頭。手前で侍女五人。
 桔梗、女郎花、萩、葛、撫子、苧環の糸を垂らして秋草を釣っている。
 ユラユラと舞う差し金の蝶達。
 女童―合唱― 
 ♪ここはどこの細道じゃ、天神様の細道じゃ、細道じゃ、♪


1985年に真田広之と日生劇場で。
1995年に映画化。モチロン松竹で。
台詞回しも映画では、皆それっぽく(歌舞伎っぽく)喋っていましたが、
脇の重鎮南美江島田正吾は別格。
玉さまワールドと同化できるのは、やはり技を持ったあの世代だけなのでしょう。
1999年いざ!歌舞伎座へ凱旋~。

「玉三郎は歌舞伎で天守物語をやりたかったんだろうね」とは友人の弁。
それで一層、泉鏡花の世界が広がって奥深くなったと思う。
鏡花と玉さまが織り成す耽美な耽美な世界が、劇場を包み込んだのでした。
もうあの世界に入ったまま、この世に戻って来れなくてもイイ~クラクラ~

 時に閃電す(略)階子の上より、まず水色の衣の褄、裳を引く。
 すぐに蓑を被ぎたつ姿見ゆ。
 長なす黒髪、片手に竹笠、半ば面を蔽いたる美しく気高き貴女、
 天守夫人、富姫。
 (その姿に舞い縋る蝶々の三つ二つを、蓑を開いて片袖に受く)
 「出迎えかい、御苦労だね。(蝶に云う)」

玉さまの御声は“琥珀”。静かに美しい。
御姿は華やか。だけど媚びてない。
映画では、気がつかなかったけど、玉さまは滑るように歩いていた…。
いつ息継ぎしてるか解らんリズムで喋ってるし…。
「ああ、人間じゃない」心底思わせてくれるんだなぁ

玉さまの“妖艶”に対して、亀姫役の菊之助は“妖美”。
映画の宮沢りえでは感じられなかった、「人の首もペロッと食べちゃうんだろうな」
と思わせる雰囲気をたたえておりました。そういう意味で不気味さは充分。
富姫へのお土産は生首だしね。フフ…

左團次は映画の通りダミ声でよい味だ。「ぼろぼん、ぼろぼん」ってステキ~
舌長姥(吉之丞)が舌なめずりする首をどうするか。
と思いきや、しっかり舞台中央に設置。でもって舌も伸びてた。いいねぇ

こんな世界、解る人にはとことん!!!
だけど、そうじゃない人には、とことん???

図書之助役の新之助(現・海老蔵)の凛々しさは、
富姫に「ああ、爽やかなお心、そして貴方はお勇ましい」とまで言わせるのよ~ん

 惹かれあう2人に危機が!武士達が天守にやってきて大暴れー!
 獅子の目を潰してしまう。同時に、2人の目の前も真っ暗に…。

それからの図書之助&富姫は、ステキ度アップ!!
2人はいつも手と手を繋いでるの。
まこと普段の歌舞伎ではあり得ねぇ~。2人の愛を感じて胸キュンだ

新之助なんてズ~ッと玉さま見てて、本当に恋してしまわないかしらん…。
菊ちゃんも「お可愛い」なんて頬すり寄せられたら、
本気で嬉しくならないかなしらん…。
なんてぇバカなことまでを考えてしまうわけさ~

 生首を放り投げ、人間どもを追い散らしたものの、眼が見えない。
 図書「せめて、その、ものをおっしゃる、貴方の、
    
ほのかな、口許だけでも、見えたならば。」
 夫人「貴方の睫毛一筋なりと。」(声を立ててともに泣く。)
 ―待て、泣くな泣くな。―
 彫り師が出てきて獅子の眼を直してくれるので、
 2人の瞳も開いた。あ~めでたし。めでたし。


彫り師が急に登場

そりゃ~羽左衛門が出るためでしょ
いーのヨ、いいの
このてを理詰めで消化できると思ったら大~間違いヨ。
感性よ。感覚よ。雰囲気よー
ということで、期待にそぐわぬ。いーえ、至高の傑作!!
こりゃぁ1等席で観てヨカッタ~

生写真は、初日開けて1週間ではまだ販売されておらず、ホッとした…。
あったら『天守物語』シリーズ全て購入してしまいそーでしょー。
そりゃ危ないでしょー。でしょー。「演劇界」で我慢しておこー

資金不足で二度とはお目にかかれぬ…。ど~すりゃいいのサ…。
胸バクバクで、歌舞伎座の夜は更けて行ったのでありました。

あれから6年。“
富姫の衣装新調”って玉さま。
鏡花+玉三郎=耽美の方程式再び!!でございましょーや。
そーなんですよ~川崎さん

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