息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

紫のアリス

2012-02-26 10:13:49 | 柴田よしき
柴田よしき 著

不倫している状況をクリアするために仕事を辞めた主人公・紗希。
夜の公園で見たものは、「不思議の国のアリス」に出てくる白うさぎと思しき
二足歩行の生物だった。
しかもその後次々と“アリス”の登場人物が目の前に現れる。

現実か幻覚か? 15年前の親友の死、曖昧な紗希の記憶。
自分の前に現れるのは敵なのか味方なのかすらわからない。
大切なことを忘れているような気がするのに、それが思い出せないもどかしさ。

モチーフになっている「不思議の国のアリス」はとても魅力的な物語だ。
リンクしながら謎が解明していくのはとても楽しいし、迷路の中にいるような、
それもバラの生垣で作られた迷路のようなガーリーな世界に溶け込める。
こういう世界観が好きな人にはおすすめだ。

しかし、肝心の謎がちょっと物足りないかなあ。
不思議の世界はとてもいい小道具なのだけれど、それに振り回されて
何が何だかわからないままに終わってしまう感じがした。
ちょっともったいないなあ。

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