柴田よしき 著
2031年を舞台にした近未来探偵小説。
少子化、高齢社会、情報化、ドラッグ、自殺など、現代社会における問題は
さらに進行している。
主人公の探偵・サラは、ひとりの女性から行方の知れない姉を探して欲しいと
依頼を受ける。
しかし彼女には曖昧な記憶しかない。姉は実在するのか?
それを探るうちにサラは元探偵の老人・風祭に行き着く。
連作短編集のかたちであるが、ひとつの大きな物語としてまとまっている。
謎解きも十分に面白いものだが、やはり魅力はこの世界観。
細やかな設定の一つひとつが、来たるべき近未来にきっと現実となりそうで、
思わず引き込まれてしまった。
全ての食物が生産工場でつくられる。
医師の診察に触診はない。
妊娠計画は保健所が管理する。
美容整形、アンチエイジングの進化は人から見た目の年齢を奪う。
インフルエンザは抗ウィルス・エアドームにより都市から排除される。
オゾンホール対策のため人工雲が常に頭上を覆う。
個人のトーク・カードは、行く先々でネットにつながり、キャラクターが
マネジメントを務める。
もうすぐそこにある技術も、そうなってほしくない技術もある。
これが書かれたのは2008年、それから現実に近づいた技術もある。
そしてサラのやや無機質なキャラクターとハードボイルドな風祭の対比もいい。
シリーズ化するらしいのでこの先が楽しみ。
2031年を舞台にした近未来探偵小説。
少子化、高齢社会、情報化、ドラッグ、自殺など、現代社会における問題は
さらに進行している。
主人公の探偵・サラは、ひとりの女性から行方の知れない姉を探して欲しいと
依頼を受ける。
しかし彼女には曖昧な記憶しかない。姉は実在するのか?
それを探るうちにサラは元探偵の老人・風祭に行き着く。
連作短編集のかたちであるが、ひとつの大きな物語としてまとまっている。
謎解きも十分に面白いものだが、やはり魅力はこの世界観。
細やかな設定の一つひとつが、来たるべき近未来にきっと現実となりそうで、
思わず引き込まれてしまった。
全ての食物が生産工場でつくられる。
医師の診察に触診はない。
妊娠計画は保健所が管理する。
美容整形、アンチエイジングの進化は人から見た目の年齢を奪う。
インフルエンザは抗ウィルス・エアドームにより都市から排除される。
オゾンホール対策のため人工雲が常に頭上を覆う。
個人のトーク・カードは、行く先々でネットにつながり、キャラクターが
マネジメントを務める。
もうすぐそこにある技術も、そうなってほしくない技術もある。
これが書かれたのは2008年、それから現実に近づいた技術もある。
そしてサラのやや無機質なキャラクターとハードボイルドな風祭の対比もいい。
シリーズ化するらしいのでこの先が楽しみ。
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