息をするように本を読む

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と、なんだかだらだら日常のことなども

居場所のない子どもたち―アダルト・チルドレンの魂にふれる

2014-04-23 10:57:00 | 著者名 た行
鳥山敏子 著

著者は宮澤賢治の教えに賛同し、NPO「東京賢治の学校」の代表を務めている。
それだけに教育に対する姿勢は真摯で、よき教師であろうというひたむきな
想いが伝わってくる。

著者は30年にも及ぶ公立小学校教諭生活の中で、子どもたちが抱える
数々の問題と、その裏に潜む親自身の問題を見てきた。
子ども時代をどう過ごしたか、どう育てられたかは、人が人として育ち、
親となっていくにあたり、とても大きな影響を及ぼす。

それは一見問題児という形で子ども自身に現れることもあれば、
虐待や子どもを愛せないという形で親に現れることもある。

子どもは生まれる家も親も選べない。
育てられる環境をただ受け入れ、生き延びるしかない。
疑問をもつというわずかな隙さえ与えられない。

長子だから、女だから。
母と祖母の仲を取り持たなければならないから。
両親のつなぎ役が自分しかいないから。
子どもに無理を強いる原因はあまりにも理不尽なものばかりだ。
しかし、受け止めること以外の選択肢をもたない子どもは
自分には重すぎる荷物を黙って持ち、つぶれるしかない。

著者は問題を抱えたまま成長し、さらなる大きな問題を抱え込む
アダルト・チルドレンたちの心を開放するワークを開催している。
そこで語られる切々とした想いは読むだけで胸が痛くなるほどだ。

社会が変わったから、核家族だから、共働きが増えたから。
原因をひとまとめにするのは簡単だが、子どもの想いはそれだけでは
解決しない。
私自身似たような経験があり、それだけに穏やかな思いでは読めない。
適切な時期に適切な助けの手が伸びますように。
こんなワークのような心を開放する手段が一般的になりますように。
そう願うのみだ。

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