哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

人生の幸福や物事の喜びを奪う価値観

2005-12-14 06:20:30 | 科学
人生の幸福や物事の喜びを奪う『不合理な信念と不適応な仮定』について

 心理学と価値観の話と言い換えてもいいのでしょうが、上記サイトでは、単一の価値観(固定観念)を持つがために人生を悲観しがちな事例を、心理学の観点から解説しています。

 サイトの冒頭で、極端な価値観を持つことの危険性を、車の車輪の数で比喩させています。言い得て妙な比喩ではあります。このような極端な価値観も自ら想像した観念に過ぎないにもかかわらず、社会の中で生きる術(すべ)となってしまい、そう思う本人の生死を左右する問題となってしまうわけですね。

 思いますに、複雑な社会になったからでしょうか、人間というのは科学での統一理論志向と同様、単純な考えを追い求める傾向がどうしてもあるようです。だから生き方についても「確固たる信念」をひとつ持てばよいと思いがちなのかも知れません。しかし、それが確固たるかどうかは検証不能ですから、心理学でいう問題事例が発生するのでしょう。

 心理学のいう健全な価値観とは何かは明確ではありませんが、池田晶子さんの考え方(=哲学の考え方)は処方の一つとして有用かとは思います。人生を悲観する考えとは無縁ですから。ただし癒しにもならないので使用にはご注意を。