哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

のちにはみとれ

2010-03-03 21:33:33 | 時事
 今月の日経新聞「私の履歴書」は、ユニチャーム会長の高原慶一朗氏という。会社名は知っていたが、人物は全く知らなかったので、軽く読み流していたが、今日の内容は随分面白かった。

 氏は小さい頃、気丈な母親の叱咤激励で、勉強で一番を目指すガリ勉だったが、小柄なためよくいじめられ、泣いて帰ったそうだ。母親は、男が泣いて帰るのはみっともないとして、「のちにはみとれ」と言い返せという。そしてある日砂浜でいじめにあったときに、小さい声で「のちにはみとれ」と言ったが、いじめた方は「何を見せてくれるのか」とからかうので、悔しくなり「のちにはみとれ」と繰り返し、大声になったという。それでいじめもなくなったそうだ。

 「のちにはみとれ」とは、将来人間として大きくなって見返してやる、という決意を表したものだそうだが、これをいじめられていた子供が大声で叫んだときは、いじめた側もその決意ある言葉にひるんだのだろうか。きっとこの言葉に大きな力が宿っていたのだろう。


 つくづく言葉は力であり、命であると思う。またその言葉に魂を与えるのも、子供に接する親であり、また回りにいる大人であろう。池田晶子さんは言うまでもなく、子供たちにこそ未来を託していた。池田晶子さんの言葉を、是非多くの子供たちに届けたいものだ。