山スキーと山歩き みやぶろぐ

山スキーと登山など、きままに書いてみます

立山初滑り

2013-11-25 | 2013-14山スキー

山域山名:北アルプス立山・室堂山(富山県)
期  日:2013年11月21日(木)~22日(金)
参 加 者:みやぶー、ふくせんぱい、らがー
行動記録:
11/21 北本(5:40)=扇沢ターミナル(10:15/11:00)=室堂ターミナル2420m(13:15/13:55)→雷鳥荘2390m(14:25)
<天候:雪>

今年も立山からシーズンイン。
当初は11/20(水)に室堂へ入る予定だったが、水曜日は冬型が強まって暴風雪の予報が出ていたので、入山を1日遅らせて1泊2日に変更。
と、いっても金曜日まで寒気渦低気圧が日本海に停滞しているので、室堂にいる間に好天となる条件はほとんどなし…だが、行かないことには何も始まらず、5ヶ月ぶりの雪の感触を確かめるだけでも、、、と立山に向かった。

今日も午前中は荒れていてほとんど行動できないのは分かっていたので、のんびりと埼玉を出発。
大町温泉を過ぎるとあれよあれよと雪の量が増えて、除雪していない無料駐車場はご覧のとおり。
スコップで掘れば駐められるが、明日もたくさん車が入るし、出られなくなるのを懸念して有料Pに車を駐めた。

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さすがは平日の黒部ダムはガラガラ。室堂までのアルペンルートは香港からのツアーばかりで、山スキーヤーは1パーティだけだった。

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室堂ターミナルの窓から見ると、ほとんど視界なし。これでは登って滑る気もなくのんびりと準備する。
隣ではカラースポーツクラブのガイドが今日までのツアー反省会とこれから迎えるツアーの打ち合わせをしていた。結構、シビアにみているな~と。

まずは雷鳥荘までとターミナルの外へ。視界は100mほどとそれほど酷くはない。

香港から来た女性達は雪を見るのは初めてだとか。

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彼女達から、「かっこいい~」と言われました。(おそらくスキーを履いた見慣れないヘルメットとゴーグル男だから?でしょう)

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みくりが池付近。

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雷鳥荘の玄関は、昨夜のブリザードで朝は埋まったらしい。

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雷鳥荘北側の斜面。視界はよくない。

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そのまま宴会では初日から芸がないので、荷物を置いて1本だけ初滑り。
凹凸が分からず、滑りに何とかなった程度だが、ま、こんなもんでしょう。

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このあとは温泉to宴会モードへ(^^)

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今晩の宿泊は70名、明日金曜日は100名超え、土曜日は300名超えの満員らしい。


11/22 雷鳥荘(8:45)→室堂ターミナル(9:15/10:30)→室堂山北面滑降&登り返し→室堂山2668m(12:15)→室堂ターミナル(12:50)
<天候:雪>

朝から雪、視界ほとんどなし。これでは主稜線に取り付くことはまったく無理、雪崩リスクも高いので急斜面も無理、午後から再び雪が強まる予報も出ていて天候回復も見込めず…。

とりあえずターミナルに戻って、様子をみることにする。

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ホテル立山もぼんやりしか見えない。

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昨日と同じベンチで待機していたら、扇沢からの1番バス、2番バス、3番バスが来るたびに、ドッ~~とスキーヤーが下りてきて、ターミナルがごった返す。
今日は金曜日だよね?と疑いたくなるような人の多さにびっくり。
バックカントリーブームもここまできたか、と怖いような気分となった。

我々の隣りで、ツアーガイドがお客に説明を始めた。雪の状況、天候、ビーコンなどの装備、今日の行動とルート、泊まる雷鳥荘などなど、1から100まで細かいレクチャー。
高い金を取っているのだから、当たり前といえば当たり前だが、まさに至れりつくせり。
昨日のガイド打ち合わせと今日の客への説明を聞いていたら、ツアーに参加してるだけでは、本当の冬山の力量はほとんどつかないでしょう。

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そうこうしているうちに、いくらか視界もよくなったので、室堂山を1本滑ることにする。

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中間あたりからまずは1本。所々波打った斜面でこけそうになりながらもプチパウダーを楽しむ。我々が付けたトレースをついてきたパーティが3組いた。

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ふたたび登り返し。トレースが途切れたさっきの滑り出しポイントを過ぎて、室堂山に向かう。
視界は5~10mほどで、自分の登っている斜面の向きも分からない。GPSと何度か室堂山には登っていて地形は分かっているが、時々ストックを指して雪面を確認しながら山頂を目指す。

平たい室堂山山頂の端っこに着いた。何にも見えないホワイトアウト。
これより先に進むのは危険なのでここまで。
細かいアップダウンもあって、シールを取るとルートを外してしまうので、シールで下る。

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登りのトレースはほとんど消え、白い暗闇を足探りしながら下る。凹凸や斜面でバランスを保てないと転倒してしまうほどの悪条件。

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1本目の滑降ポイントでやっとシールを外す。視界は悪化し、風も出てきて吹雪になってきた。滑っているのか?分からない状態で標高を下げていき、無事に室堂ターミナルへ帰還。

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翌日に真砂岳で雪崩が起きてしまった。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
大走り沢はこれまで11月下旬に3回滑降したことがあるが、いずれも真砂岳山頂から内蔵助カールを滑り終えてからの下山に使ったので、すでにシュプールでズタズタの状態だった。
おそらく尾根取り付き付近を登っていた5名は、音が聞こえたと思ったらもう目の前の雪煙に呑まれてしまったのかもしれない。

雪崩の要因などは専門家が調査しているので、目撃状況などと合わせて詳細な報告が出るだろう。
自分も1月の八甲田山で雪崩事故を経験しているので、2度とこのような惨事は引き起こしてはならないと肝に銘じているつもりである。でも、山スキーのフィールドはすべてをコントロールすることはできない雪山である。しかも、他人が誘発した雪崩には対処すべくもない状況もあり得る。
昨今の過熱気味とも感じるBCブームで、年々、室堂に入るスキーヤーが増え続けている。かるく千人を超える人が危険と隣り合わせのこの狭いエリアにいたとすると、非常に恐ろしい環境にあるのかもしれない。そんなこんなを考えさせれた初滑りだった。

今シーズンも安全に配慮し事故なく、山スキー人生を楽しみたい。


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