山域山名:北アルプス・乗鞍岳(長野県)
期 日:2013年2月9日(土)~10(日)
参 加 者:みやぶー、ドクターQ
行動記録:
2/9 北本(5:00)=乗鞍高原スキー場P(9:30)=スキー場top1980m(10:55)→位ヶ原2480m(12:15/12:40)→肩ノ小屋東方2760m(13:15/13:30)→蚕玉岳2980m(14:25)→剣ヶ峰3026m(14:35/14:45)→蚕玉岳稜線(15:00)~位ヶ原2580m(15:15/15:25)~位ヶ原山荘2350m(15:45)
<天候:快晴>
今朝の安曇野は放射冷却もあって-8℃と冷え込んだ。快晴の長野道から、蝶ヶ岳から常念岳、北は鹿島槍まで見事な北アルプスを眺めて乗鞍高原へ、山麓駐車場に何とか車を駐めることができた。
さすがは2月の3連休、乗鞍高原スキー場も混雑している。(スキー場HPには「ここ10年で一番混んでいた」と書いてあった)
快晴の乗鞍岳、絶好の条件。
リフトを3本乗り継いでスキー場TOPから登り出す。
出発が11時前と遅いので、ツアーコースのトレースはしっかりと踏み固められていた。
まったく風がなく、日差しもあって、暑くてヤッケを脱ぐ。厳冬期の2月とは思えないくらいだ。
位ヶ原急斜面下で昨年も会った乗鞍大雪渓WebSiteの管理人と挨拶をする。
確か昨年にはなかった、こんな標識が立っていた。
位ヶ原に上がるとさすがに空気は冷たい。
シュカブラも立派に成長している。
振り返れば中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、浅間山。
北には槍穂高連峰とすばらしい景色だ。
剣ヶ峰斜面もシュカブラだらけ。
南の空は少し薄雲が広がってきたが、このあと天候が崩れる気配はまったくない。
摩利支天の尾根にはたくさんの人が取り付いている。昨年もあの斜面を滑ったが、このエリアでは一番のパウダーバーンなので人気なのもうなずける。
いつもは強風が吹き荒れる位ヶ原で、今日は微風程度。こんな良い条件は滅多にないので、我々は山頂を目指す。
樹林帯を抜けると雪面はいつものハードバーン、見上げる剣ヶ峰稜線も不気味に光っている。
山頂を目指すので、肩ノ小屋には向かわず尾根方向にルートを取る。
シュカブラとコロナ観測所。
こんなもの凄いシュカブラは見たことがない。
肩ノ小屋が見えた。
位ヶ原まで一直線に強風が抜ける。
乗鞍は強風が抜ける肩ノ小屋を境に空気も雪面も変わる。今日は穏やかとはいえ、尾根上はさすがに寒い。
シールでは限界となったので、アイゼン登行に切り替える。
雪面は完全な氷ではなく、アイゼンもよく効いたので、風を避けられる朝日岳南側のルンゼにルートを取る。
急な壁を登り切ると稜線だ。蚕玉岳からは絶景が拡がる。
朝日岳と遠く白山。
ひと際高い乗鞍岳山頂と大日岳。
権現池は大雪原。。
北アルプスの絶景。
蚕玉岳を越えた稜線にスキーをデポして乗鞍岳山頂の剣ヶ峰へ。
神社は氷づけで、鳥居はエビの尻尾がびっしり付いていた。
気温は-18℃、厳寒の世界だ。
高天ヶ原と、遠くに南・中央アルプス。
大日岳と美しい御嶽山。
四ッ岳、十石山の奥に、笠ヶ岳、薬師、立山、槍穂高、常念岳。
大展望を満喫して蚕玉岳稜線に戻る。
スキーを履いていよいよ滑降だ。眼下のルンゼ状斜面はシュカブラに覆い尽くされているが、何とかなるだろう。
気合いを入れて飛び込む。
快適な滑降には程遠く、シュカブラの薄いバーンを選んでジャンプターンで滑る。
見事なコントラストだ。
乗鞍らしい景色。
中段から下はアイスバーンも加わり、右へ左へ回りながら位ヶ原へ。
真ん中のルンゼを滑ってきた。見上げる剣ヶ峰はとても大きかった。
ハードバーンの乗鞍にはキャンバースキー。
充実感に浸った小休止のあと、位ヶ原山荘へ向かう。昨年パウダーゲットした大斜面はパックされていた。
残照と大斜面。
大黒岳斜面はパウダーツリーランエリア。
屋根板付近。
樹林帯はパウダーランを楽しめた。
今年は樹林帯も斑状にハードバーンが多く、今年の乗鞍は強風が吹き荒れたようだ。
山頂と肩に沈む陽を眺めて、充実した一日に感謝。
山荘管理人の六辻さんに迎えられる。この時期、ストーブのある小屋は本当にありがたい。談話スペースのこたつに入りながらビールで乾杯!。こたつは3つあるが、我々のテーブルは話し好きの浦安のふたりと川崎の単独といっしょに盛り上がった。
今日の泊まり客はスキーより坪足登山者の方が圧倒的に多く、山荘を利用する割合はずっと変わらないらしい。
夕飯には熱々の鹿鍋とうどんをいただく。
今年は2階の部屋だったので?、寒さをまったく感じずよく眠れました。
2/10 位ヶ原山荘2350m(7:50)→大黒岳森林限界2550m(8:25/8:30)~大黒沢2400mまで滑降登り返し→同2550m(9:29/9:30)~位ヶ原山荘(9:40/10:45)→位ヶ原2460m(11:10/11:20)~スキー場top1980m(11:35)~スキー場P(11:45)
<天候:雪>
山テン予報が当たり細かい雪が降っている。午前6時に朝食を取ったが、今日は森林限界上の行動はとても無理なのでのんびりする。
豪華な朝食です。
山頂アタックする予定だった坪足登山者も諦めモードのようだ。
山スキーは荒天でも楽しみはある。山荘周辺で一番樹林が濃い大黒岳斜面を目指すことにする。
玄関を出ると小屋の暖かさが嘘のように寒い。気温-12℃、風も結構ある。
沢から広い尾根を登り、森林限界の2550mで登行終了。時折、地吹雪混じりの突風が吹いて、寒くてたまらない。
大黒沢右岸斜面はウィンドパックされていたが、沢中はパウダーだった。凍ったシールを何とか貼り付け2550mまで登り返す。パウダー溜まりの富士見沢を滑って位ヶ原山荘へ戻った。
昨年同様、ストーブのある食堂で休憩させてもらう。シールを温めている間に昼食を取る。
昨日泊まった登山者はこの天気でみんな下山したらしい。が、ただ一人残っている人がいた。10キロもある天体望遠鏡を担ぎ上げて、極寒のなか星の写真を撮っていた大阪の方で、昨夜の収穫を見せていただいた。
馬頭星雲、オリオン大星雲、昴、土星。星を見るために大阪からこの雪深い位ヶ原山荘に毎週末来ているというから、世の中、すごい人がいるものだ。
オリオン大星雲。夜中10:42に撮影とは恐れ入りました。
馬頭星雲。(左下、頭が逆さまになっています)
これが望遠鏡。(ドクターから借用)
ゆっくりしたので下山開始。朝よりは雪が小降りとなった。
車道ルートにはたくさんの旗竿があって迷うことはない。
深い樹林の囲まれた位ヶ原山荘。
車道を歩いて位ヶ原急斜面上に出る。スキー場から登ってきた山スキーヤーがたくさんみえる。この天候では視界もなく、風も強いので、位ヶ原から上に行くのは無理だろう。
さぁ、あとは滑るのみ、位ヶ原急斜面は今山行一番のパウダーだった。
かっ飛ばすドクター。
切り開きを滑ればゲレンデだ。
スキー場は大混雑。
厳冬期の乗鞍岳山頂に立てて、満足の2Dayでした。
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