山スキーと山歩き みやぶろぐ

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2020秋田の冬旅③八幡平

2020-06-15 | 2019-20山スキー
山域山名:八幡平(秋田県)
期  日:2020年2月3日(月)
参 加 者:みやぶー(単独)
行動記録:後生掛温泉990m(8:45)→蒸ノ湯休憩所1150m(10:00)→藤助森1604m(12:15)→撤退(12:23)~蒸ノ湯休憩所1150m(13:30)→後生掛温泉(15:05)
<天候:吹雪>

2日目は八幡平を目指す。
今日は日本海を発達しながら東進する低気圧の影響で、秋田内陸部は午後から風雪が強まる予報が出ている。
背後には今季一番の寒気団が控えていて、気象庁はすでに大雪に警戒するよう呼びかけていた。
冬山は天候とラッセル次第、行ける所まで頑張ろう。

後生掛を出発。昨夜の降雪はうっすら程度。




厳冬期ラッセルツアーのために新調したスキーが活躍する時が来た。




秋田八幡平スキー場は今日から2月平日は休業となるので、後生掛分岐から冬季閉鎖されたアスピーデラインに入る。完全ラッセル登山。




車道は1078m標高点をぐるっと南から巻いているので、ブナ林をショートカット。この辺りまでは天候もまずまずだった。




次第に南西の風が強まり、雪が横殴りに降ってきた。早めに崩れてきたので凍傷予防で目出帽とヘルメットに変える。




蒸ノ湯休憩所。




かなりの吹雪模様。




橋を渡ったすぐ左手の夏道入口から樹林帯を登る。




アスピーデラインはずっと山腹の南側に付けられているので南寄りの強風が直に襲い掛かる。
樹林帯に入ると風は弱まった。想定どおりだ。




途中からツアー用の旗竿が立てられていて目印になる。有り難い。




樹氷といえば八幡平だが、今季の大暖冬で1月に雨が降ったので残念ながら細く萎んでいた。




だんだん視界も低下。だいたい20~30m間隔に立っている旗竿が見えなくなって探すようになる。
滅多に着ない冬用アウターを着て熱線ゴーグルも装着。完全仕様だ。




GPSがあるので迷って帰れなくなることはないが、どこで引き返すかを考えながらひたすらラッセルで進む。
まだ気温が-7℃とそれほど低くないので凍傷の恐れも低く、寒さを感じないのが救いだ。




藤助森まで何とか来たが束ねられた旗竿。あと10本少し分の距離が残されているということか。




完全ホワイトアウト、強風で大きく波打った雪面も見えずらく、針葉樹のツリーホールにも落ちないようゆっくり辿る。
このような条件ではシールでも転倒は許されない。




雪面の向きも分からず地形が複雑で真っ直ぐ進めず、ワンダリングしてるのでは?と不安になる。
八幡平頂上まで300m~400mなのだが到達までの時間が読めず、強風も連続間隔から一段と悪化してるような感じがする。
単独なのでこの先でアクシデントがあると命がヤバい、、という恐怖が脳裏をよぎる。
撤退だ。

引き返すと数分前のトレースがほぼ消えている。GPS軌跡と時々かすかに残る痕跡を見つけながら戻る。
藤助森の旗竿が見えた時にはこれで何とか帰れると思った。。




1493m標高点先で斜度が増すので滑れるだろうとシールオフ。その時に雷鳴が、、やばい。

装備をザックに放り込んで滑ろうとするが、重たい新雪が30㎝以上積もってあまり滑らない。参ったな。
改めてシールを付けるか迷ったがこのまま下りラッセル全開で行こうと決める。




1427m標高点からはやっと滑れるような斜度になった。
が、稲光と同時に雷鳴と近くに落雷が2回。雪起こしの雷雲に入ってしまったか。
生きた心地しなかったがもう下山するしかない。転倒やルートミスは絶対に許されない。

ツアー標識見えた時には心底安堵。




蒸ノ湯看板が見えた。まさしく地獄のブリザードだが、これで迷うことはなくなった。
しかし1時間に5㎝以上積もるような凄い降りだ。




ここからはまったく滑れない車道が続くのでシールを付けて、ひたすら太腿ラッセル。
雷鳴がしなくなったのが救いだが、まだ後生掛までは2キロ以上進まなければ帰れない。

1078m標高点先の樹林帯に入った。




シールオフして半分くらいは滑ったが、あとはラッセルして後生掛下の車道に何とが出た。生きて帰れた。







玄関に入ったら、今季一番の降り方で後生掛の方もとても心配していたそうだ。
頂上間近まで行ったことを伝えると驚きと一緒に山が好きなんですね、と(苦笑)




久しぶりに全開で冬山を歩いた、体力と精神も疲労困憊の一日だった。













湯に浸かっているとさっきまでの地獄が嘘のようだ。。



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