“自らの言葉”で語っているのは

行楽日和であちこち混雑しそう、島岡美延です。
遠くへ行くより近くのお祭り、もいいですね。
安保関連法案の成立までを様々な番組で見ました。
何十分もの演説や、切れ目ないデモのどの場面を伝えるか、放送局によって、ニュースやワイドショーによって、かなり違うものです。
街頭インタビューもどんな人のどんな言葉を取り上げるか…、当然のことながら、印象はずいぶん変わります。
ちょっと驚いたのは、俳優・石田純一さんがデモでマイクを握っていたこと。
映画監督や演劇人らが、声明を出して記者会見するなどはありましたが、“個人”として政治に関する言葉を発する俳優は、なかなかいなかった日本のエンターテインメント界。
しかも彼は「戦争は文化ではありません」と叫びました（他にもいろいろ言っています）。
かつて物議をかもした自らの言葉をもじったもの。
これぞ、個としてのナマの言葉。
子連れの母親、就活中の学生、来年の参院選で投票権を持つ高校生。
確実に、個としての言葉を持ち始めています。

耳を傾けるべき立場とは

5連休の始まりは安保関連法案成立から、島岡美延です。
“連休前に仕上げたい”と賛成票を投じた国会議員一人一人に「何が改正され、何が新たに整備されたのか」聞いたら、本当に答えられる人は、どれだけいる？
法案成立後も国会周辺で、諦めないと声を上げ続けた人々の多くは、自らの意志で、想いを届けたいと行動しています。
100％いえるのは、法案に票を投じることができる国会議員が、身の危険にさらされる場所に派遣されることはない、ということ。
「誰かの声に耳を傾ける」べき立場なのは、力関係が上位の者です。
子どもと大人なら、耳を傾けるべきは、大人。
会社なら、上司が部下の声に耳を傾ける。
スポーツの世界でも、自分のやり方を押し付けるより、今や、選手の声に耳を傾ける指導者が成功を収める時代。
生徒の声に耳をかさず、いじめはない、と言い続ける学校で起きた悲劇。
カリスマ経営に見えた企業が、ブラック企業と指摘され、業績悪化。
国民の声を無視した国は、誰のために、どこへ向かうのでしょう。

爆笑の認知症映画、誕生

世界も驚く日本の国会、島岡美延です。
津波と竜巻と採決の行方に注意する日。
大阪在住の母と娘、二人と出会った田中幸夫監督が、従来の認知症ドキュメンタリー映画のイメージを変えました。
映画『徘徊　ママリン87歳の夏（26日公開）』をご紹介します。
関西での先行上映では、場内、大爆笑だったとか。
大阪北浜。大都会の自宅マンションでギャラリーを営む酒井章子さん。
一人暮らしの部屋に、認知症のママリン（アサヨさん）がやってきて、生活は激変。
昼夜の別なく徘徊する母と、後ろから見守る娘の姿は、近所の誰もが知っている。
徘徊モードがひと息つけば、母娘一緒に居酒屋やバーにも。
そんな二人の生活は6年に。
かみ合わず、不条理にも思える会話をユーモアも交え、“受け入れ”たり、“受け流し”たり。
「老いには勝てぬで、徘徊もショートになって…」
最長徘徊距離は1日で12㌔。
6年間で歩いた距離は、大阪・東京3往復分！
“認知症を周りに知らせる”と笑顔が増えるのかも。

杉浦日向子の名作が

大雨の中、緊迫する国会周辺、島岡美延です。
彼女なら何を想ったかしら、漫画家・杉浦日向子さんの没後10年です。
映画『合葬 GASSOH（26日公開）』をご紹介します。
漫画雑誌「ガロ」に掲載された日本漫画家協会賞優秀賞作品が原作。
今年は戦後70年。
終戦に抵抗した若き軍人と、江戸時代の終焉を認めたくない「彰義隊」がだぶってみえました。
慶応4年（1868年）4月11日、300年に亘る江戸幕府が終わりを告げる。
15代将軍徳川慶喜が江戸城を明け渡し、明治時代が始まったのだ。
鳥羽・伏見の戦いのあと、将軍の警護と江戸市中の治安維持を目的に、有志で結成された「彰義隊」は、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられる。
忠誠心から自らの意志で入った青年・極（柳楽優弥）、養子先を追い出され、やむなく入隊の柾之助（瀬戸康史）、隊の存在に異を唱えながら加わる悌次郎（岡山天音）。
時代に翻弄された彼らの運命を見つめて下さい。
そして「いま」はどんな節目か、考えたいです。

確かに、心は叫びたい

また天気は下り坂、島岡美延です。
国会での攻防が山場を迎えている今、想いを伝えるべく、人々が行動しています。
でも、言葉に出来ない人、言葉にしたいことを飲み込んでいる人は、その何百倍もいる…。
映画『心が叫びたがってるんだ。（19日公開）』をご紹介します。
映画、テレビである種の“現象”を巻き起こしたアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』＝「あの花」スタッフが再び集結。
今度は「ここさけ」と呼ばれて、さらなる幅広い世代に浸透しそう。
幼い頃、何気なく発した言葉で家族がバラバラになった少女・成瀬順。
“玉子の妖精”に、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。
高校生になった順のコミュニケーション手段は、携帯メールのみ。
ある日、地域ふれあい交流会の実行委員に任命され、ミュージカルに挑戦することに…！
本当は叫びたい、心の殻に閉じ込めてしまった気持ちを抱く、すべての人、必見！
名曲でつづられるミュージカルの奇跡とアニメの魔法、確かめて下さい。

二等辺三角形と、長方形で

今度は阿蘇山の噴火、島岡美延です。
御嶽山の噴火からまもなく1年。
小さな日本列島にいかに火山が集中しているか、あらためて実感。
さて、今月の姿勢テーマ『男らしく、女らしく、身体を動かそう』を実践していますか？
歩き方なら“女性は二等辺三角形、男性は長方形を意識する”のが美しい形のコツ。
どこの形かというと、両肩の2点と、膝の位置を結んだ点です。
女性の歩き方は、後ろで蹴った脚を前に持ってくるとき、“膝と膝が触れ合う”のが理想的。
2つの肩を結んだラインが水平で、それを上辺とし、膝が触れ合う場所が二等辺三角形の頂点ということですね。
膝がしらを“点”と考えます。
くっついていれば1点に見えますが、離れていれば2点。
その2点を結ぶ距離が長いと、肩の2か所の点を結んで長方形に近くなります。
これが、男性の理想的な歩き方。
余談ですが、歌舞伎の女形の場合、膝から上をぴったり離さずに歩きます。
あなたの歩き方、三角形（女性的）それとも長方形（男性的）、どちらに近い？

その“大丈夫”は大丈夫？

少しずつ秋が進んでいく気配、島岡美延です。
いい季節なのに、必ずしも心地よくない空気が日本列島を覆っています。
秋晴れを見ても、とても晴れそうにない豪雨被災地の人々の心。
国会の外で叫ぶ人々と、国会の中の人々との乖離。
東京五輪の白紙撤回問題にしても、世界に発信されるニュースは“日本は本当に大丈夫？”と心配されそうなものばかり。
ところで、「大丈夫ですか？」という問いかけに、違和感を覚えた事はありませんか？
意味が曖昧な“大丈夫”が増えています。
何か聞いた時に「大丈夫です」と言われて、イエスかノーかわからないことも。
また、若い店員が、年配の男性客に「このカードで大丈夫ですか？」と言っていました。
「このカードでクレジット払いをするのか」という確認なのでしょうが、なんだか失礼な言い回しに感じます。
レジの店員と言えば「カードからお預かりします」や「1000円から…」なども気になりますが、先ほどの「大丈夫ですか？」は、あなたの感覚の“許容範囲内”ですか？

“次々と”は起こりうる

大気の状態はまた不安定、島岡美延です。
先週の日曜頃から全国で降り続いた雨。
まさか1週間後、東日本の各地で堤防が決壊するなどして、日常が一変するとは。
行方不明の方々の安否が心配です。
浸水したままの地域も多く、各県被害の全容判明には時間がかかりそう。
特に被害が大きかった茨城県常総市。
市役所自体も浸水し、1階にあった発電装置も水没。
「避難指示」の遅れなど指摘され始めていますが、「別の地域の浸水被害に対応しているうちに、鬼怒川の堤防が決壊した」という状況だったよう。
“これまでの経験”で自然災害に立ち向かえないことは、東日本大震災で学んだ私たち。
鬼怒川が決壊した翌日には、宮城県でも複数の堤防決壊。
その日は、9月11日。
NYの同時多発テロから14年、東日本大震災から4年半の日でした。
今回の大雨で、福島では放射能除染の土の袋が流されたり、原発の汚染水も海にあふれました。
地震だって起こる、という警告のような昨日の朝。
こんな時に、国会はどこへ向かう？

揺れるヒロイン、魅力全開

今朝は調布で震度5弱、島岡美延です。
水分を含みすぎた関東にさらなる試練。
シルバーウィークに、恋愛映画はいかが？
映画『ヒロイン失格（19日公開）』をご紹介します。
捨て身の“変顔”や坊主頭まで披露する、桐谷美玲。
朝ドラ『まれ』の夫役、山崎賢人が彼女の王子様。でもそこにもう一人…。
幸田もも子の人気コミックが原作。
幼なじみの利太（山崎）のことが大好きな女子高生・はとり（桐谷）。
自分こそが利太と結ばれるヒロインと、子どもの頃から信じて疑わない。
なのに、クールな彼はイケてない地味な“六角精児似”の女の子と付き合い始める。
ラブストーリーのヒロインらしからぬ“奪還作戦”を企てるはとりに、学校イチのイケメン廣祐（坂口健太郎＝MEN'S NON-NO専属モデル）がアプローチしてきて、まさかの三角関係に。
はとりの本当のヒーローは、一体どっち！？
思い込みが激しくて、感情表現がストレート。
少女漫画の可憐な王道ヒロインとは正反対ですが、そこが実に魅力的。

ボリショイにカメラ密着

大雨の脅威がこれほどとは…、島岡美延です。
栃木・茨城さらに宮城に特別警報です。
創立から240年、初の密着カメラは衝撃的。
映画『ボリショイ・バビロン　華麗なるバレエの舞台裏（19日公開）』をご紹介します。
2013年、ボリショイ・バレエ団の元スターダンサーで芸術監督のセルゲイ・フィーリンが、顔に硫酸を浴びせられるという事件が発生。
その後、ソリストのパーヴェル・ドミトリチェンコが逮捕される。
事件の背景に隠された、熾烈な勢力争い、嫉妬、横領、賄賂。
ロシア政府が送り込んだ新総裁は、ウラジーミル・ウーリン。
片目の視力を失ったフィーリンも復活するが、かつて反目した仲だった…。
この現実に、美しい舞台の映像と音楽がオーバーラップ。
先日の世界バレエフェスで見たプリンシパルのマリーヤ・アレクサンドロワを初め、ダンサーたちは自らの苦しみを語ります。
最高の舞台を作るための数々の犠牲…！
バレエの“政治利用”まであるロシア。美しくも驚きのドキュメンタリーです。