妻の「最後の願い」に夫は

いきなり6月ひと月分の雨、島岡美延です。
暑すぎる先週末から一転、大雨洪水警報が出る今週末は長袖で。
長く連れ添ってきた夫婦の日々は、何らかの「我慢」の年月。
紫綬褒章受賞の二人の俳優が、「核」を巡って、夫婦の愛情を表現するという、これ以上ない見ごたえの舞台でした。
加藤健一事務所公演『請願～核なき世界～（本多劇場、17日まで）』、妻役に迎えたのは、三田和代。
イギリスの劇作家ブライアン・クラークによる1986年の作品は、戦後70年近くたち、原発事故から3年が過ぎた今、深く考えさせます。
ロンドンの高級住宅街で暮らす老夫婦、エドムンドとエリザベス。
ある朝、新聞の核兵器反対の請願広告に妻の署名を見つけ、大きなショックを受ける夫。
元陸軍大将であるエドムンドは、妻の勝手な行動が許せない。
50年以上連れ添って、初めて自分の意思を表明したエリザベスは、がんを患って余命わずか。
最後のエネルギーをぶつけるように「これまでの想い」を語りだす・・・。
夫婦の会話、ありますか！？