今日も天気の急変に要注意、島岡美延です。
まさに舞台上で雷鳴が轟く物語を国立劇場小劇場で観てきました。『中村京蔵 爽涼の會 フェードル』、歌舞伎俳優がカタカナの主人公を演じる、なんといってもフランス古典悲劇、ベースにあるのはギリシャ神話!
緞帳が上がると映像で海や馬車、振り落としで現れたのは歌舞伎時代物の立派な御殿。豪華な着物で演じるのは王家の人々。京蔵さんのフェードルは父親がクレタ島の王。英雄テゼ(池田努)と結婚するも女神ビーナスの企みで、テゼと先妻の息子であるイボリット(須賀貴匡)に不義の恋をしてしまう。一方イボリットは父の政敵の娘アリシー(植本純米)と禁じられた恋――。
セリフは七五調でなく、ヴァイオリンの音色が響くなど、歌舞伎の要素と違うけど妙にしっくり。このドロドロした感じ、実は歌舞伎にも多いのです。花道も使うし大波を表す布なども。京蔵さん自身、国立劇場の俳優養成所出身で、最高の舞台に。花組芝居の植本さんも相変わらず素敵な姫でした。