芸術の合点の仕方

箱根の彫刻の森美術館を訪ねたのはこれで三度目だ。
20年ほどまえに、ピカソ館に紹介してあった言葉「人は芸術をわかろうとするが、鳥の声を理解しようとしない」がとても印象的だった。以来、芸術作品を鑑賞する時には「自分は身近な中に感動や感激をしているだろうか」と条件反射するようになった。

で、今回は芸術家が周囲の中にあるものの本質を取り出そうとしているような気がして、自分ならば、どのように本質を探し出し、そして作品として造りあげるだろうと思った。
くぼみの中に突起があり、突起のなかに突起があり、そのまた中にくぼみがある・・・
四角の中に丸があり、その中に三角があり、また丸がある・・・
曲線の中に直線があり゛その中に曲線があり、また直線がある・・・・
ミクロを拡大していくと、マクロに戻る・・・・。
そんなことを考えながら美術館の木陰で休んでいた。そして気がついた。
そんなものをわざわざ造り出さなくても、足元の石、目の前の木や草。人の持ち物など、自分の周囲はすでにそうなっているではないか。
すでに私は芸術に囲まれているし、言い換えれば、私も芸術作品なのだと合点がいった。
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