![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/a4/9411a7b03a7de09e0238bfa7ba85d7c9.jpg)
JR東海道線北側にある三白山連城寺(れんじょうじ)は、保元3年〈1158〉8月、
遠江(とおとうみ)守に任じられた平重盛の開いた寺です。
磐田市は平安時代、遠江国(現、静岡県西部)の
国府が置かれたところで、政治・文化・経済の中心として栄え、
その中央に位置する見付地区には、古くから京都と
鎌倉・東国を結ぶ東海道の宿場町、見付宿がありました。
また、平安時代後期から太田川下流右岸、現在の
磐田市南東部地域には伊勢神宮所領の鎌田御厨(みくりや) がおかれ、
伊勢神宮の神官によって管理されていました。
『吾妻鏡』寿永元年(1182)5月16日条によると、
伊勢神宮外宮(げぐう)禰宜(ねぎ)為保が
鎌倉殿の御所に参上して鎌田御厨(現、磐田市鎌田付近)が
遠江国守護の安田義定(よしさだ)によって押領されたと訴えると、
源頼朝はただちに安堵の下文(くだしぶみ)を為保に与えたという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/dc/16ca46b3305e5c8b34f1e855b390d90f.jpg)
鎌田政家(正清)の墓がある鎌田地区から連城寺まで
バスでの移動はちょっと不便なので歩きました。
距離は約2㎞、30分ほどです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/2c/856e513a0ab6b2302219bb8a525ab0bb.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/92/e01767b517a367305c9c01649db7d092.jpg)
三白山連城寺
寺伝によれば、平重盛が遠江守の時に建立したと伝えられています。
墓地には、平清盛と平重盛の供養塔や中泉代官大草太郎左衛門の墓があり、
裏山には4世紀後半に造られた、葺石(ふきいし)を有する
秋葉山古墳(円墳、長軸50m、短軸46m)と葺石・埴輪を有する
稲荷山古墳(前方後円墳、全長46,5m)があります。
秋葉山古墳は、国指定史跡御厨古墳群を構成する古墳の1つです。
南には、明治時代に東海道線の工事で消滅した経塚古墳がありました。
経塚古墳から出土した三角縁四神四獣鏡(さんかくぶちししんしじゅうきょう)は、
県指定有形文化財(考古資料)として連城寺で保管されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/6a/11861526d161f189d3cb6f0cbf9bd275.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/00/2e9aa81a16aa06e7ca5566086c1a974b.jpg)
山門をくぐると正面に観音立像
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/af/df1029780d76042f3807de35712ac9a9.jpg)
本堂前にたつ大黒天と恵比寿さま
本尊:聖観世音菩薩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/c7/150dfdf8606257236ef2060a9085fbae.jpg)
頌徳碑 平成十五年五月吉日 袋井市国本 大草正人謹撰書
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/2d/3e59590749be2f59845b43a0396cbaf4.jpg)
碑文には、三白山連城寺は平重盛が天台宗で
1179年に建立したと伝えられていると刻まれています。
1179年といえば重盛の没年にあたります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/ae/5cca070883a3cb40341b98bdfc5d5212.jpg)
平重盛(1138~1179)は、父清盛の悪行の報いを恐れ、
諸国に寺を造営したといわれ、遠江国においては、
蓮(連)覚寺(磐田市竜洋中島)・連福寺(磐田市二之宮)・
連城寺(磐田市新貝)を開創しました。
寺名の「蓮」「連」は重盛の法名
「城連(浄蓮)」から付けられたものという。
平氏滅亡後、寺も衰退しましたが、これを再興したのが遠江代官の一人
大草太郎左衛門家祖三代政信です。天正年間(1573~1592)、
政信は萬松山(ばんしょうざん)可睡斎(かすいさい)(現、静岡県袋井市)
第11世鳳山等膳(ほうざんとうぜん)を招き、
天台宗を曹洞宗に改め中興の開山としました。
大草氏の菩提寺で墓地には歴代の墓があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/e6/bdce9c3cbdb0fce71abe4cd67ea24fdf.jpg)
寺の裏手JR東海道線がすぐ傍を走る墓地への上り口
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/01/124e9e0dd15411678589f8ab7362d4f4.jpg)
急坂を上って行くと墓地に出ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/ee/079faac6c1a25f1b6d9650bea8014b87.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/c5/ac464f900743944d3c572074e8a457ab.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/40/83a24173f9126d602adee6b61f487722.jpg)
主に僧侶のお墓として使われる無縫塔(むほうとう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/aa/ec466fce5eb795a98278cc28b78608af.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/5b/86fd59a969acc967d59a8901a75fcd69.jpg)
平清盛重盛両公供養塔
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/4e/aafa29491a11b84f1f8d04db2d927770.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/c9/62fd15846d8ad59cb978e860a49e1713.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/2b/fbf9704231ec43f77e82f867ac30b292.jpg)
平重盛の墓(小松寺1)
『アクセス』
「連城寺」静岡県磐田市新貝1556 JR磐田駅から4km
桶ヶ谷沼線「新貝」バス停 から徒歩約5分
「鎌田政家の墓」から東北へ約2㎞
『参考資料』
「静岡県の地名」平凡社、2000年 「吾妻鏡」(1)吉川弘文館、2007年