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風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

朝鮮半島情勢(前)

2019-08-03 00:39:29 | 時事放談
 北朝鮮は相変わらずミサイルをぶっ放し(7月25日、31日に続き、この1週間余りで3回目)、相当、欲求不満がたまっているようだ。短距離弾道ミサイルらしいので、トランプ大統領を刺激しないよう配慮していることは読み取れる。もしこれがオバマ大統領だったら一顧だにされなくて、トランプ大統領だからこそ、交渉相手として望みを繋いでいるのだろう。しかし、北朝鮮には、ICBMも、搭載する核弾頭の小型化も、当面は開発に進展なし、とアメリカに見切られている可能性がある。そのため、トランプ大統領はBig Deal(核の完全放棄)にしか興味がないこととも相俟って、これに反応しない以上は、北朝鮮のことは放ったらかし、というわけだ。他方で、国連安保理による対北朝鮮制裁は続いており、北朝鮮は抜け穴を通してなんとか食い繋いでいるものの、厳しい状況が続く。つまり、これまでも本ブログで何度か言って来たように、時間は明らかにトランプ大統領に味方して、放ったらかしにしても、自らは何も失うものがないと確信しているのであろう、まさにトランプ大統領の思うツボ、トランプ大統領お得意のディールの罠に、金正恩委員長はまんまと嵌ってしまっている。金正恩委員長の欲求不満は、こうした膠着状態に自らの意思を貫けない、やり場のない怒りを反映しているように思われる(このあたりは飽くまで米朝の問題であって、日韓のリスクは残される)。
 ところが、このあたりの状況については、トランプ大統領を貶めたいマスコミは完全に誤解しているのではないだろうか・・・と、前置きはさておき。
 今日、日本国政府は、輸出管理で優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正を、粛々と閣議決定した(因みにホワイト国という呼び方も変えた)。この一ヶ月の経産省(とりわけツイッターで事実を正確に伝えようと努力された世耕大臣)と菅官房長官のブレない一貫した対応は見事だった。
 輸出管理の企業実務を担当する人の目から見ると、韓国の対応は酷いようだ。昨日も河野外務大臣と韓国の外務大臣との会談がバンコクで行われたが、日本が安全保障理由で輸出管理の運用を見直そうとしているのに対し、では韓国の輸出管理に懸念があるとする日本の問題意識が具体的にどこにあり、それを是認して対策を打つのか、それとも反論して現状の管理体制の妥当性を証明するのか、いずれかの対応になるだろうと一企業人として期待するところだが、日経などの報道によれば、どうもそうではなく、韓国は「ホワイト国」から韓国を除外する方針の撤回を求めた、閣議決定される場合には必要な対抗措置を講じるしかない、などと、およそ大臣クラスの協議には程遠い、子供のケンカとしか思えないやりとりだというわけである(実は、韓国の外交は大統領府に牛耳られ、日本では官邸に出向中の経産省出身者に牛耳られ、双方で外務省が機能していないと言われるのは、事実だとすれば問題である)。
この一ヶ月、こと輸出管理に関して、韓国は戦略的ミスを犯したのではないかという。
 韓国は当初から輸出管理を理解していない、と言うよりも、理解しようとしないか理解していない振りをして、政治問題化して、連日、マスコミを通して感情的に大騒ぎして来た。今日の閣議決定を受けた文在寅大統領の発言は、とても理性ある自由・民主主義国のリーダーのそれではない。曰く、「韓国政府と国際社会の外交的解決努力を無視し、状況を悪化させた責任が日本政府にあるのが明確になった以上、今後起こる事態の責任も全面的に日本政府にあることをはっきり警告する」(一体いつから国際社会が同意したというのか?)、「強制労働禁止と三権分立に基づく民主主義という人類普遍の価値と国際法の大原則に違反する行為だ」(一体いつから強制労働禁止が民主主義の要件になったのか? あるいは人類普遍の価値にまで、他をさし措いて、高められたのか? そもそもいま問題の徴用工は強制ではなかった人たちだとされるがどうなのか、国内にあっては遡及効を認め、あるいはウィーン条約を無視しているのは韓国の方ではないのか、実に疑問が多いフレーズ)、「深刻に受け止めているのは、今回の措置が韓国経済を攻撃し、経済の未来成長を妨げ打撃を加える明らかな意図を持っているという事実だ」(今回の運用見直しのどこが韓国経済を攻撃するのか? 韓国経済の不振を日本のせいにする言い訳でしかない)といった塩梅である。所詮、大統領発言は内向き、すなわち国民向けのメッセージでしかないところに、韓国という国の浅ましさと悲哀があるのだが、それは余談である。ともかく今日の経産省の措置は、さすが日本のお役人は優秀で、「ホワイト国からの除外」という、それほど実害はないが(手続きが多少煩雑になるにしても)象徴的意味合いの点でインパクトがあり、さらに当初の三品目のように包括許可が使えなくなる範囲を広げるといった発展可能な仕掛けも仕込んでいるという。ところが韓国は、当初から国際的な自由貿易からの逸脱だのWTO違反だのと全く筋違いの最大級の非難を注いできたものだから、実はそこまで騒ぐほど大したことではないのが事実だと判明しても、もはや引っ込みがつかなくなったのではないか、という。何ともお粗末な話だ。
 朴クネさんの告げ口外交は有名で、欧米のその筋ではどう受け止められていたか、単に信頼性を失っただけで、アメリカでは巷間Korea Fatigue(韓国疲れ)などと陰口を叩かれたものだった。今回の輸出管理を巡るWTO提訴も、その場で反応がなかったのを、韓国は「異議なし」と自己正当化するコメントを発出したが、ロイター通信は端的に「却下」と伝えた。なんというギャップであろう。韓国にとっては“恥晒し”でしかない。ことほど左様に一事が万事とは言わないまでも、どう見ても徴用工問題(あるいは戦時中の韓国人労働者問題)も、慰安婦問題も、レーダー照射問題も、同じように韓国は独善的で、論点をはぐらかし、政治問題化して、日本の譲歩を迫るばかりのように思えてならない。つまり、相変わらずではあるが、韓国では、とりわけ日韓に限れば、まともな外交が成立しているようにはとても見えないのだ。問題は、何故、かくも韓国の外交は、相手が日本となると、まともに成立しないのかということであろう。
(これ以降、書き直しのため、いったん切ります)
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