風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

節電狂走曲

2011-07-18 23:01:21 | 日々の生活
 節電意識が高まるのは良いのですが、後から振り返ると「狂走曲」とでも呼べるような、ちょっと滑稽なまでに行き過ぎの面も見られます。熱中症にかかるお年寄りが増えているのはその一つの悲劇的な極端で、ただ一律に節電を呼びかけるのではなく、何事もメリハリをつけることが大事だということなのでしょう。
 今日から、私の会社でも輪番休日制が始まりました。これから9月にかけて、ロケーション(ビル)毎に、通常の夏休み以外に追加で一週間の連続休暇を順番に取り、その分、土・日や祝日に出勤して輪番休日の埋め合わせをする計画です。私は、世間が祝日の今日、出勤日でした。朝の通勤時間帯は空いていて自宅最寄駅から座って行けましたし、有給休暇を取っている社員が多く、昼の社食も空いていて、通勤も、オフィス勤務も、普段からこれくらい密度が薄ければ、個体間距離も十分にあって、冷房も効きやすく、実に快適なのですが。
 また、オフィスでは、パソコンに“節電ソフト”をインストールして、一定時間、パソコンを使用しないでいると強制的に電源を落として節電に努め、こまめに節電した様子を「見える化」する試みが始まりました。朝、パソコンを立ち上げると、前日の電力利用状況を示すグラフが現れ、電源が落ちている時間帯は「節電」と規定される一方、席にいてパソコンがアイドリング状態の時間帯はよりによって「無駄」などと規定され、真っ赤な棒グラフで注意喚起するという仕組みです。インターネットに繋ぎっぱなしが当たり前で、メールがビジネス・インフラのご時世に、「無駄」とは何事でしょうか。メールやネットをじっくり読んでいる内に時間が来ると突然パソコンの電源が落ちてしまうため、読み続けるために、慌ててそれを押し留めなければなりませんし、誰かと話したり書類に目を通している間に電源が落ちてしまうこともままあります。今ではオフィスの電話はIP化され、パソコンと連動しているので、電源が落ちると電話が繋がらなくなり、パソコンを立上げ戻すと、いちいちIP電話のソフトも立上げ直さなければならないという不便さです。「節電」の大義のため、節電ソフトを導入したと言えばカッコイイですが、実態は、余計な手間を取らせるばかりで、とんだ災難です。これも一つの小さな悲劇的な極端の一例です。
コメント
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