保健福祉の現場から

感じるままに

産科セミオープンシステム

2019年03月18日 | Weblog
読売新聞「八幡浜での分娩停止へ」(https://www.yomiuri.co.jp/local/ehime/news/20190312-OYTNT50077/)。<以下引用>
<◇産婦人科3月末で 診療、治療は継続 八幡浜市内で唯一、出産が可能だった産婦人科医院(19床)が今月いっぱいで分娩ぶんべんの取り扱いを停止することがわかった。八幡浜保健所管内(八幡浜、大洲、西予3市と内子、伊方2町)で出産を取り扱うのは大洲市の2医院(計24床)のみとなる。医院によると、少子化や院長の高齢などを停止の理由に挙げている。分娩は扱わないが、一定時期までの妊婦健診を行い、その後は希望する産科施設を紹介するシステムに移行する。産婦人科疾患の診療や治療などの受け付けは継続する。八幡浜市内での出生数は2017年度で199人。市内では、市立八幡浜総合病院が出産業務の再開を目指すが、めどはたたない。八幡浜総合病院では、医師不足もあって12年1月から出産の取り扱いを中止。現在、産婦人科には医師1人と助産師4人がいるが、新年度には助産師が1人減る。昨年、将来的に分娩の取り扱いの再開を目指して助産師4人程度を募ることにし、資格取得を希望する病院内の看護師に必要経費などを助成する支援策を打ち出したが、希望者はいないという。市では愛媛大などに産婦人科医も含めた医師の派遣を要望している。大城一郎市長は「市立病院で出産できるよう今後も働きかけていく」としている。>

「医師需給分科会」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_318654.html)の「産科における医師偏在指標(暫定)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000483632.pdf)、と「小児科における医師偏在指標(暫定)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000483633.pdf)で、自分たちの3次医療圏・2次医療圏がどの位置にあるのか、認識したい。「産科・小児科における医師偏在対策具体的な取組例」(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000483631.pdf)が出ていたが、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/t-page.asp)(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/3kekka/Municipalities.asp)に出ている「2045年までの市区町村の性・年齢階級推計人口」での若年女性人口を踏まえれば、今後、分娩件数が急速に減少する地域が少なくないことは認識したい。運営費の公費助成で分娩施設を支えることも考えられるが、経営面からも「産科セミオープンシステム」は現実的な選択といえるかもしれない。周産期医療は医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の柱の一つで、医政局地域医療計画課長通知(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000159904.pdf)p98~「周産期医療の体制構築に係る指針」では、目指すべき方向として、①正常分娩等に対し安全な医療を提供するための周産期医療関連施設間の連携、②周産期の救急対応が24 時間可能な体制、③新生児医療の提供が可能な体制、④NICU に入室している新生児の療養・療育支援が可能な体制が示されていることは認識したい。分娩施設・マンパワーは、周産期母子医療センターの確保・充実を最優先とし、周産期医療体制は施設間ネットワークで考える必要がある。ところで、医療法(https://www.ron.gr.jp/law/law/iryouhou.htm)の「第二十一条 病院は、厚生労働省令(第一号に掲げる従業者(医師及び歯科医師を除く。)及び第十二号に掲げる施設にあつては、都道府県の条例)の定めるところにより、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えて置かなければならない。」の「十 診療科名中に産婦人科又は産科を有する病院にあつては、分べん室及び新生児の入浴施設」は見直されても良いように感じる。「分娩はやらないが、妊婦健診は実施する病院」があってもよいであろう。ところで、以前、四国新聞「2億円助成も応募ゼロ/三木町の産科誘致制度」(http://docg.blog135.fc2.com/blog-entry-3022.html?sp)の報道があったが、全国各地の開業助成の実績はどうなっているであろうか。
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