保健福祉の現場から

感じるままに

医学部の2023年問題

2015年04月28日 | Weblog
dot. Asahi「医学部を揺るがす「2023年問題」 問われる医師の人間力」(http://dot.asahi.com/aera/2015042300110.html)。<以下引用>
<ヒエラルキーが根強く残るとされる医療の世界。「治してやるのだから患者は言うことを聞け」という医師はまだ多い。しかし、もうそれでは通用しない。「2023年問題」を前に、医学部は揺れている。少子化で受験生が減っているのに、医学部医学科志願者は増加傾向が続く。地方を中心に、これまでは東大をはじめとする東京の大学に進学していた高校生が、経済的なことを理由に地元国立大の医学部を目指すケースが増えているという。一方、最難関の医学部受験や医師国家試験をくぐり抜けた医師たちが、世間を驚かせる事件を起こす事態も絶えることがない。最近も、群馬大学医学部附属病院で肝臓手術を巡り、1人の医師が診療の過失で8人の患者を死亡させた事件が明らかになった。下村博文・文部科学大臣は、アエラ本誌3月16日号に掲載した鼎談でこう述べた。「東大理Ⅲに行く学生の中には一定の割合で、医者になりたいのではなく日本最難関だから東大理Ⅲを選ぶという人がいると聞きます。それで、患者から信頼される医者になれますか」 外圧も強まっている。医学部の「2023年問題」と言われるものだ。米国・カナダ以外の医学部出身者が米国で医業を行う資格を審査する機関(ECFMG)が10年に、「23年以降は国際的な認証評価を受けた医学部の出身者しか申請を受け付けない」と宣言した。多様な国の医学部出身者が集まる米国で、医師の質を担保するためだ。欧米諸国や韓国、台湾などは国際的な基準にもとづく自国の医学教育の認証評価制度を持っているが、日本にはまだない。このままでは日本の医学部を卒業しても世界では働けない。国際基準に合わせ、臨床実習を増やす、実技を評価する、教育の質を評価するなどの仕組みづくりが、急ピッチで進む。筑波大は04年から、体験実習とディスカッションを増やした。外来エスコート実習のほか、福祉施設や付属病院、地域医療の現場での体験実習を義務づけている。卒業前の臨床実習も全国で一番長い78週間。大原教授によると、1年次から体験実習を多く経験することで、自分で考えて行動できる学生が増え、国家試験の合格率は上がったという。>

ネット記事(http://yoshiko-sakurai.jp/2013/05/09/4677)では「2023年までに日本の医学教育が国際標準に改められない限り、日本の医学部の学生は米国の医師国家試験を受けられなくなる」とあったが、医学部の「2023年問題」は認識したい。「国際基準に合わせ、臨床実習を増やす、実技を評価する、教育の質を評価するなどの仕組みづくり」は、何も米国で医業を行わなくても重要と感じる。東京圏国家戦略特別区域会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/tokyoken/dai2/shiryou.html)では成田市における「国際的な医療人材の育成のための医学部等の新設に関する検討について「極めて重要かつ緊急性が高い」とされているが、筑波大の取り組みを他大学に拡充するとともに、国際的な認証評価を受けるようにすべきである。東京圏国家戦略特区における医学部新設問題について、全国医学部長病院長会議の反対声明(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141224_g2.pdf)、日本医師会の記者会見資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141224_g1.pdf)はみておきたい。歯科医師過剰(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E9%81%8E%E5%89%B0%E5%95%8F%E9%A1%8C)や法科大学院定員割れ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2%E5%AE%9A%E5%93%A1%E5%89%B2%E3%82%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C)と同じ轍を踏んではいけないであろう。
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