保健福祉の現場から

感じるままに

療養病床の差別化

2019年03月18日 | Weblog
メディウォッチ「25対1の医療療養、介護医療院よりも「20対1医療療養」への転換望む―日慢協・武久会長」(https://www.medwatch.jp/?p=25400)。<以下引用>
<日本慢性期医療協会の会員病院を対象に行ったアンケート調査では、25対1の医療療養病床は、介護医療院への転換希望は少なく、むしろ機能強化をし20対1医療療養への転換を希望している―。3月14日の定例記者会見で、日慢協の武久洋三会長はこういった状況を明らかにしました。介護療養の多くは介護医療院を、25対1医療療養の多くは20対1医療療養を希望 「介護療養病床」と「医療法上の看護配置4対1以上を満たさない病院」(主に25対1医療療養)は、設置根拠となる経過措置が終了しており、現在は「他の病床等への転換期間」として存続しています。このため2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定でも、介護療養や25対1医療療養から他病床等への転換を促すような見直しが行われています。医療療養については、看護配置を「20対1以上」に統一し、重症患者(医療区分2・3)の受け入れ割合を診療実績指標として▼医療療養1(重症患者80%以上)▼医療療養2(重症患者50%以上)―2段階の区分となりました。このため、25対1医療療養は、診療報酬上も「経過措置」としてのみ存続が可能となります。一方、介護報酬では、新たな転換先として期待される「介護医療院」の報酬や構造設備基準が設定されました。そこでは介護療養や25対1医療療養などが介護医療院へ転換した場合に算定できる、2021年3月までの【移行定着支援加算】(1日につき93単位、1年間のみ算定可能)が設けられました。こうした改定内容が明らかになってから1年近くが経過し、介護療養や25対1医療療養を持つ施設では「今後の経営戦略」立案が進んでいることでしょう。こうした状況を受け日慢協が、▼2018年3月時点の入院基本料等▼2019年1月時点の入院基本料等▼将来(3年後程度)の入院基本料等―について会員施設を対象にアンケートを実施しました。会員の60%近い604病院が回答しており、関心の高さをうかがわせます。25対1医療療養、介護療養、20対1医療療養の状況を見ると、次のようになっています。【25対1医療療養】▽2018年3月時点:93病院・7008床▽2019年1月時点:▼20対1医療療養・3708床(52.9%)▼25対1医療療養・3070床(43.8%)▼回復期リハ・12床(0.2%)▼地域包括・91床(1.3%)▼介護医療院II型・119床(1.7%)―など▽将来時点:▼20対1医療療養・3971床(56.7%)▼25対1医療療養・1234床(17.6%)▼回復期リハ・28床(0.4%)▼地域包括・224床(3.2%)▼障害者施設等・39床(0.6%)▼介護医療院I型・521床(7.4%)▼介護医療院II型・394床(5.6%)▼未定等・267床(3.8%)―など【介護療養】▽2018年3月時点:199病院・1万4618床▽2019年1月時点:▼20対1医療療養・1824床(12.5%)▼介護療養・9718床(66.5%)▼介護医療院I型・2298床(15.7%)▼介護医療院II型・143床(1.0%)―など▽将来時点:▼20対1医療療養・772床(5.3%)▼介護療養・854床(5.8%)▼介護医療院I型・1万408床(71.2%)▼介護医療院II型・819床(5.6%)▼未定等・623床(4.3%)―など【20対1医療療養】▽2018年3月時点:479病院・4万3235床▽2019年1月時点:▼20対1医療療養・4万1659床(96.4%)▼回復期リハ・674床(1.6%)▼地域包括・224床(0.5%)▼介護医療院I型・121床(0.3%)▼介護医療院II型・71床(0.2%)―など▽将来時点:▼20対1医療療養・3万8139床(88.2%)▼回復期リハ・911床(2.1%)▼地域包括・964床(2.2%)▼介護医療院I型・598床(1.4%)▼介護医療院II型・408床(0.9%)▼未定・1126床(2.6%)―など 介護療養の多くは介護医療院(とくに療養機能強化型の介護療養並みである介護医療院I型)へ転換すると考えられます。一方、25対1医療療養は、介護医療院へ転換する施設は13%に過ぎず、6割程度は機能強化を行い、20対1医療療養などへなる予定を立てています。また20対1医療療養については、ほとんどが現状を維持し、一部には回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟へと機能強化を考えています。こうした状況を見て武久会長は、「25対1医療療養から介護医療院への転換を考えている施設は思っていたよりも少ない。日慢協では意識の高い施設が多いことから、機能強化を行おうと考えているようだ」との感想を述べています。この背景には、一部自治体で「医療療養から介護療養への転換にストップをかけている」点があるかもしれません(小規模な町村では、医療療養から介護医療院への転換が、介護保険料の高騰につながるため)。介護療養を目指して人員配置や設備整備(療養環境の向上)に力を入れても、転換段階で「ストップ」となれば、その努力が無に帰してしまいかねません。そこで「確実な道である20対1医療療養」(投資が無駄にならない)を目指す施設が多くなっている可能性もあります。上述の【移行定着支援加算】は、2021年3月末まで、「最初の転換から1年間を限度」として算定できます。つまり、丸々1年間分を算定しようと思えば、2020年4月1日までに転換を行わなければなりません。武久会長は、このスケジュールから逆算して「転換の事務手続きに4か月程度かかるため、今秋(2019年10月頃)には、当初の転換状況の全体が明らかになるのではないか」と見通しています。>

「地域医療構想」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の推進にあたって、療養病床(特に介護療養)を有する病院について、介護医療院(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196478.html)等への転換を自主的に検討してもらうことが欠かせない。病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)で、療養病床の行方を検討するに際して比較的役立つのは、①1年間/月間の退棟患者数(退棟先の場所別、退院後の在宅医療の予定別)、②急性期後・在宅復帰への支援(退院支援加算、救急・在宅等支援(療養)病床初期加算、介護支援連携指導料、退院時リハビリテーション指導料、退院前訪問指導料)、③平均在棟日数「(在棟患者延べ数)÷(((新規入院患者数)+(退棟患者数))÷2)」である。また、医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)による平均在院日数や1日平均外来患者数も有用であろう。例えば、退院がほとんどなく、死亡退院がほとんどで、在棟日数が非常に長く、外来をほとんど実施しておらず、退院に向けての取り組みがない病院病棟は、医療療養としてどうなのであろうか。
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