保健福祉の現場から

感じるままに

地域包括ケアには保健所のアレンジ・アシストを

2015年07月30日 | Weblog
「難病の患者に対する医療等に関する法律第4条に規定する難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針を定める件(案)概要について」のパブリックコメント(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495150082&Mode=0)が出ているが、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127746)資料と合わせて目を通しておきたい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000079141.pdf)p4「難病相談支援センターと保健所による難病患者の支援体制のイメージ図」が示されているように、「身近な社会資源を利用したきめ細かな在宅療養支援」「訪問、相談・指導、各種サービスの調整」「難病対策地域協議会;地域の特性を把握し、難病患者に対する支援ネットワーク体制整備」はまさに地域包括ケアの一つのモデルといえる。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000079141.pdf)p5「難病患者地域支援対策推進事業」の実施主体は「都道府県、保健所設置市、特別区」であり、保健所が市町村・関係機関と連携・協働しなければならない。難病患者支援は市町村で完結しない。この資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000079142.pdf)のように、様々な形で、全国各地の保健所において行われているであろう。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000079141.pdf)p8~難病は「障害者総合支援法対象疾病」であるが、障害者サービスだけで地域包括ケアができるわけではない。神経難病等は介護保険の特定疾病(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html)でもあり、介護保険サービスの利用の方が少なくない。まさに医療、介護、福祉の連携が求められ、事務連絡「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく自立支援給付と介護保険制度の適用関係等に係る留意事項等について」(http://www.pref.mie.lg.jp/CHOJUS/HP/kaisei/SVOL/270218-1.pdf)も理解しておきたい。地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(医療介護総合確保促進法)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000052238.pdf)第二条では、「この法律において「地域包括ケアシステム」とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制をいう。」とされるが、地域包括ケアは「高齢者だけ」ではない。そういえば、緩和ケア推進検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128561)で「地域緩和ケアの提供体制について(議論の整理)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000091702.pdf)が出ていた。訪問看護ステーションではがん患者が多くなっていることを踏まえれば、「地域緩和ケア」抜きの地域包括ケアはあり得ない。しかし、がん診療連携拠点病院(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html)(http://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpKyotenSearchTop.xsp)は市町村ごとに整備されている施設ではない。それは、認知症ケア(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/)における「認知症疾患医療センター」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000076412.pdf)、リハビリ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=216570)での検討会取りまとめ(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000078416.pdf)p47にある「地域リハビリテーション広域センター」にもいえる。平成27年度からの介護保険地域支援事業の「在宅医療・介護連携推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000077428.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/tebiki.pdf)で、ア.地域の医療・介護の資源の把握、イ.在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討、ウ.切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築推進、エ.医療・介護関係者の情報共有の支援、オ.在宅医療・介護連携に関する相談支援、カ.医療・介護関係者の研修、キ.地域住民への普及啓発、ク.在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携が実施されているが、縦割り・縄張りの事業展開ではいけない。医療・介護連携は、地域医療再生基金(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saiseikikin/index.html)や地域医療介護総合確保基金(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068065.html)でも取り組まれているであろう。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000064540.pdf)別添3「地域医療介護総合確保基金を活用した在宅医療の充実のための取組例」の「個別の疾患、領域等に着目した質の向上(医療関係者に対する専門的な研修や専門的に取り組む医療機関を支援)」では、看取り、末期がん、疾患に関わらない緩和ケア、小児等在宅医療、難病在宅医療、在宅療養にかかる意思決定支援、認知症、精神疾患、褥瘡、口腔・栄養ケア、リハビリ等が例示されているが、例えば、緩和ケア、難病、認知症、精神疾患、リハビリ等は、基金事業ではなく、通常事業で、前述のア~クについて取り組まれているものが少なくないであろう。都道府県医療介護連携調整実証事業(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/jitu.pdf)もそうだが、地域においては、市町村・保健所・拠点施設の連携・協働で地域包括ケアを推進すべきである。そこには保健所のアレンジ・アシスト力が問われているように感じられる。
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