撮れたて箕面ブログ

箕面市公式ブログ!北大阪から全国へ発信中!箕面広報室職員などが取材した市内の出来事、イベント情報などを紹介

民間企業派遣職員からのメッセージ(関西電力株式会社)

2016年03月30日 | 民間から学ぶ

箕面市では、顧客サービス意識や経営センスを市役所に導入することなどを目的に、民間企業への若手職員の派遣を実施しています。派遣先の民間企業で、派遣職員は何を学び、何を感じているのでしょうか。今回は、3月末まで関西電力株式会社に派遣されている中村さんからのメッセージをご紹介します。

 

こんにちは。
平26年度、27年度の2年間、関西電力株式会社大阪北営業部北摂営業所へ民間企業派遣研修中の中村友美です。
私は入庁から2年間豊川支所に配属され、主に窓口業務を担当しており、その後派遣されることになったので、箕面市役所2
年、関西電力2年の業務経験です。なので、私にとってはどちらも同じくらい愛着があり、また成長させてもらったところだと感謝しています。

関西電力では、ビジネス営業とリビング営業という部署を経験させていただきました。
就職活動のとき、自分には営業職は向かない、事務職がいいと思っており、実際市役所の仕事をしていて、こういう仕事がやっぱり自分には合うなと実感していた矢先に、民間企業で「営業」をしてもらうとの話をいただきました。最初は正直顔が引きつりましたが、やはり「やってみる」ことはとても大切です。市役所ではできない業務をすることによって、より良い影響を受けたと思います。

関西電力への派遣は私で6人目ですが、派遣開始当時の資料をみると、主に顧客サービス意識と経営センスを学ぶために始まったようです。
7年前からの交流が今でも続いているのはすばらしい取組みだと思います。
https://www.city.minoh.lg.jp/syokuin/houdou/documents/zinnzikouryuu.pdf

 

■顧客サービス意識
【コールセンターでの4日間の研修】
昨今では、市役所等の公共施設でも、「CS(顧客満足)」について力を入れていますが、民間に比べるとまだまだだなぁと正直感じずにはいられません。私は豊川支所で窓口業務をしていたので、コールセンターのみなさまの仕事ぶり、取組みについては出向初日から興味深いことばかりで感銘を受けました。例えば、
・笑声(えごえ)
わらいごえではなく、微笑んでいるような声という意味です。応対の言葉だけでなく、声のトーン等も大切です。自分の電話対応時の録音テープを聴いて、他のみんなに意見をもらう取組みが印象的でした。
・マニュアル化
箕面市役所でも窓口業務を民間企業に委託しています。委託にあたり、大量のマニュアルが必要になりますが、コールセンターではそのマニュアルが細かく、さらにすぐに探せるように工夫されていました。

どれだけ早く、正確に、気持ちよくお客さま対応ができるかが勝負です。

 

■経営センス
関西電力の社員のかたによく言われるのが、「激動の2年間に来たな」ということです。
ご存知のとおり、電力会社は今、ふたつの大きな局面に立っています。
(1) 電源の確保
(2) 電力小売全面自由化(ガス小売全面自由化)

(1) 電源の確保
震災後、原子力発電所が停止したことによる電力供給不足です。電力会社の商品は電気です。その電気を売りたくても売れない状況になり、逆にお客さまに節電のお願いをし、ご迷惑をおかけしてしまうことになりました。また、合わせて2度も値上げをお願いせざるを得なくもなり、私はその2回目の値上げのお願い、ご説明をお客さまにさせていただきました。

(2) 電力小売全面自由化(ガス小売全面自由化)
今年4月から電力小売全面自由化、来年4月からはガス小売全面自由化が始まります。
これは震災前から決まっていたことで、従来関西電力の電気と大阪ガスのガスしか選ぶことができなかったお客さまでも、これからは複数の電力会社、ガス会社の中から電気やガスを選ぶことができるようになります。
それに合わせて、社内でも数十年ぶりの大きな組織改正、送電部門との分離に向けた様々な取り扱い変更、自由化に向けた新しい戦略等打ち出してきています。いま、ガス会社が電力事業を本格化されていますが、来年からは関西電力もご家庭へガスを供給できるようにと考えています。

出典:資源エネルギー庁ウェブサイト エネルギーシステムの一体改革について
(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/energy_system_reform/)

 

ビジネス営業では、法人のお客さまへ向けた営業活動、リビング営業では、ご家庭のお客さまへ向けた営業活動を行っています。
私が学んだ営業においてまず大切なことは、お客さまとの信頼関係の構築です。今まで文系一筋だった私ですが、電気のこと、機器のことを学ばなければいけないのと同時に、会社の顔として訪問するため、会社のことをよく知っておかなければいけません。
経営センスというとなかなか難しいですが、営業職として自らアンテナを張ってこの激動の2年間、会社の方針やエネルギー業界の動向を見てこられたことは、大変だった半面、大きい収穫になったと思います。震災後の5年間でこんなに変わる業界も珍しいのではないでしょうか。

 

■「安全」と「安定供給」
関西電力の理念としてどこでも見かけるのが、「安全」と「安定供給」です。「安全」はどんな組織でも意識していることだと思いますが、関西電力の場合、市役所職員の感覚では比にならないくらい、ここまでするのかと思うことばかりです。毎朝の車両点検、定期的にある車両訓練、車両事故後(物損などでも)のなぜ起こってしまったかの分析と対策等、面倒だなと思うことでも徹底しています。そして、24時間365日スイッチひとつで使えて当たり前だと誰もが思っている電気の「安定供給」。稀に起こってしまう停電に対しても、全社員あってはならないことという意識を持って取り組んでいます。

毎朝行われる稲荷神社への安全祈願        

 

電気の「安定供給」で難しいことのひとつに、電源の確保があります。電気はためることが難しいので、刻々と変わる使用量を予測して供給力の調整をしています。したがって、消費者の需要がピークになる昼間や、季節でいうと夏季の電気の価値が高く、夜間や春・秋の価値は低くなります。ピークになればなるほど、コストの高い電源を使用するためです。また、自社の電源だけでは電力が足りない場合は、他社や卸電力取引所というところなどで、電力を購入します。現在では夏場のピーク時には、お客さまへの売値よりも、買値のほうが高くなる場合もあります。安定供給の使命感が伝わりますね。

黒部ダム(関西電力黒部川第四発電所に利用されます)

 

■リビング営業の活動
私が現在活動しているリビング営業では、比較的電気のご使用量が多いお客さまに対して、省エネコンサルティングを行っています。
まず、該当のお客さまに対してご案内のハガキをお送りし、そのあと日程調整の電話をします。そして、アポイントがとれたお客さまをご訪問し、過去のご使用実績を見ながら、家電製品の省エネになる使い方や、お客さまにあった最適な契約メニューのご提案をさせていただいています。

 

機器の買い替えでももちろん省エネになりますが、使い方の工夫ひとつで省エネになる場合があります。
例えば、夏場のエアコン。
夏場の昼間日差しがガンガン当たっている室外機のエアコンを使っていませんか?
エアコンは消費電力の高い機器ですが、その消費電力のほとんどが、室外機の中にある圧縮機という部品で消費されています。したがって、室外機の環境を整えてあげることはとても大切です。すだれ等で室外機に影を作るようにして、周りの温度を下げると効果的です。また、室外機の前にものを置かないようにしてください。
夏場の昼間使用しないエアコンに直射日光が当たっていても問題ないです。

 

■最後に
最初は全く興味のなかった電力業界も、今では大変面白く、奥深いと思うようになりました。
また2年間、関西電力の社員のかたには、この研修が実りあるものになるように、帰庁後に生かせるようにと、様々な経験をさせてくださいました。研修生である私に対してもそうですが、社内の風潮的に「育てる」ことを大切にしていると感じます。
まだまだこれから長い市役所での生活が待っています。与えていただいた肥料をしっかり吸って、芽を出し、ぐんぐん伸びていくようにしていきたいです。その土台を作ってくださった、そんな2年間だったと思います。

ビジネス営業のみなさんと

リビング営業のみなさんと

 


<中村さんありがとう!関西電力で経験したことを箕面市役所で生かしてね!>

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 全国高校生英語スピーチコン... | トップ | 民間企業派遣職員からのメッ... »
最新の画像もっと見る

民間から学ぶ」カテゴリの最新記事