ランチのお客さん「もう開業して何年経つっ?幾つから始めたのっ?よく此の世界に入ったねっ?料理好きだったのっ?」と矢継ぎ早に質問された。店名由来を尋ねられる事は屡々だが、職業入りの切っ掛けを尋ねられるのは初めてである。マァ、オイラは大学時代にバイトで食べ物屋に勤め切っ掛けを得て調理師免許を取って、料理好きの父の影響もあり、当時貴金属屋だった父が居酒屋に転業するという理由でオイラの調理師免許が役に立ち始めた居酒屋の手伝いから料理の世界入りをした訳だ。その後、父も引退しオイラは洋食の修行を経て18年前に「へんな洋食屋」開業である。やはり、此の歳まで続けてきた事柄には切っ掛けも身近な人(オイラは両親)の影響が在るモンである。今までギター趣味の影響に母がいる事は書いたが、料理趣味の影響は実は父の存在だったという、今明かされたオイラの過去であった。
そうして、未だに輝かない人生を送って家族にも迷惑を掛けているが磨き続ければ必ず輝いて艶やかに登場すると信じているんだなっ!登場しなくたって、箱入りのままだって良い訳で、別に世に出て輝いていなくても満足出来る。世に出て名を挙げるよりも、名を汚さぬ様に色々様々な「玉」を磨き続けているんだなっ!地味な「玉」ではあるが、料理やギターや写真術等々である。他人や他人の作品と比較論評しなければ良い訳で悪事以外は必ずや輝いてくる筈である。タダネッ!自己満足だけではなくちょいとは世に役立てもしたい訳で、逸れには卓越した深み在る艶に磨きたい訳だ。
毎晩、床入り後の読書は欠かさずしているが歴史モンに暫し飽きて「司馬遼太郎」さんの文庫本買い置きを片っ端から読んでいる。随筆でもコラム集でも歴史モンでも旅モノでも片っ端からである。オイラは司馬先生の書き様が好きなんだなっ!今は、昭和25年からなコラム集を読んでいるが段々とオイラの生誕した昭和34年に近づきワクワクしている。やはり、生誕の頃の時事や事象で当時の生い立ち環境を感じたい訳である。これは、現代の此の不景気で不穏で不安な時代だからこそ未だ未だ物心着いていない生誕当時の世情を知りたい訳である。オイラは、信念に「温故知新」を掲げているが世情も風俗も文化も消費も知って今に役立てたい。知識や経験や技術はどんどん使い、伝えてこそ役立てると思う。思えば、どんな新製品も新技術も古典となる元が在る訳だから知らずに新物自慢はしたくない。化石的遺産的思慮だと言われるがマァ自分勝手で良い訳である。